今日の音楽 11月22日 シンフォニア・ダ・レクイエム
1913年11月22日は、20世紀を代表するイギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンの誕生日。
ブリテンはイギリス人の保守性を上手に利用した、とも、イギリスの音楽を世界から後退させた、とも言われていますが、本人はベルクの弟子になりたかったという程、前衛的な音楽への志向も持っていたようで、周囲がそれを許さなかったという事情もあるみたいです。
ブリテンと日本のかかわりも浅からぬものがあって、当時の日本政府が皇紀2600年奉祝曲として委嘱した時に送られたのが「シンフォニア・ダ・レクイエム」です。日本では、皇室に対する避難である、などの論争が巻き起こったりして演奏が延び延びになって、結局第二次大戦が始まりお蔵入りしてしまったようです。
この曲はレクイエムといっても、歌は無く、レクイエムの形式に則っているわけでもない。ブリテンは亡き両親の思い出に捧げる・・・と言っていますが真意は不明。ただのレクイエムでは無くて、交響的作品としたのは、日本からの委嘱の条件が交響的作品なら580ポンド、その他の序曲、行進曲などの場合はその半分から三分の一だったことへの打算も感じられないわけではありませんが・・・
内容は第1楽章がラクリモーサ、第2楽章が怒りの日、第3楽章がレクイエムになっています。良い曲なのですが、奉祝曲としては?だったかもしれませんね。デュトワ指揮NHK交響楽団です。
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