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2010年10月 8日 (金)

パイオニア交響楽団第21回定期演奏会のご案内・11

いよいよ、演奏会が明日に迫りました。
最後はマーラー交響曲第1番の第4楽章。

第3楽章から続けて演奏される終楽章は、シンバルの一撃から始まります。とにかく破壊的なテーマです。なにしろ、この楽章は初版では「地獄から天国へ」というタイトルが付いていますので、さながら地獄絵巻といったところでしょうか。第3楽章で寝ていた方も必ず起されます

しばらく地獄の阿鼻叫喚が続いた後、弦楽器によって非常に美しい天国のメロディが奏せられます。
再び地獄の音楽が繰り広げられると、行進曲風の堂々とした音楽が登場します。ここで、この楽章ではじめての4度動機が演奏され、その後しばらくは地獄へ行くか天国へ行くかモヤモヤしたような調子が続き、天国のメロディの断片が演奏されますが、すぐにヴィオラの第1主題の断片によって遮られます。地獄を覗き見るような展開から、再び行進曲風の音楽に突入、今回は結局勝利に満ちた雄叫びのようにクライマックスに到達します。

ここで、ホルンが全員立ち上がって演奏する事が多いのですが、これはオーケストラの演出ではなくてマーラーが楽譜にそのような指示を書いているからです。

終楽章は理屈云々ではなくて、こういう起伏の激しい音楽を楽しんで頂ければそれでOKという音楽です。

先週末のG.P.(通し練習)で、ようやく演奏会が近づいたという雰囲気が出てきました。
今回は明るい音楽が多いモーツァルトの中でも飛びっきり明るい2曲と、マーラーフリークには思索的でないとかいう批判を受けながら、やっぱり牧歌的な音楽-踊りだしたくなるようなスケルツォ-葬送行進曲-迫力と美しさを味わえる終楽章という飽きない選曲になっていますので、楽しんで頂ければと思います。

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