今日の音楽 10月9日 動物の謝肉祭
1835年10月9日はサン=サーンスの誕生日です。
サン=サーンスは神童とよばれ、10代の頃から作曲家、オルガニストとして活躍。フランス音楽の普及のためにフランク、フォーレらとフランス国民音楽協会を設立し、その後のドビュッシー、ラヴェルなどフランスの音楽家の活躍の礎を築きました。
しかしながら、彼の作風はロマン派の域を出ず、ロマン派音楽を発展させた領域に留まっていた事や、ドビュッシーやミヨーなどの作品に真っ向から批判をしていた事もあり、フランス音楽の流れの中では、古臭いと評価されがちです。サン=サーンスがもう30年早く登場していたらフランス音楽の大作曲家という評価がされたとも言われています。
彼は、非常に博識で、それゆえに嫌味な性格だったと言われています。作品の中には、風刺の利いたものも少なくありません。
代表的な例は、「動物の謝肉祭」。動物になぞらえて、当時の人物などを揶揄したり、従来の作品のパロディといった作品です。決して動物たちを素直に表現した作品ではありません。
「亀」は、オッフェンバックの天国と地獄をわざとゆっくり演奏させ、カメののろい歩みを表現しています。
「象」は、ベルリオーズのファウストの刧罰の「妖精の踊り」とメンデルスゾーンの真夏の夜の夢の「スケルツォ」をコントラバスに弾かせて巨大な体を表現。
「耳の長い登場人物」は、当時サン=サーンスの音楽に批評をしていた評論家を驢馬に例えた音楽。
「ピアニスト」は、動物では無いけれど、下手糞なピアノを弾くピアニストを動物と同系列に例えています。
「化石」は、自分の作曲した「死の舞踏」、きらきら星、ロッシーニのセヴィリャの理髪師「ロジーナのアリア」など名曲は化石となっても名曲と。
譜面などを見ると、そこここに色々な工夫がされている名曲です。
「象」をイスラエルのコントラバス奏者Guy Tunehで。表情も面白いですよ。
« パイオニア交響楽団第21回定期演奏会のご案内・11 | トップページ | 今日はこの音楽で 10月10日 歌劇「ナブッコ」序曲 »
« パイオニア交響楽団第21回定期演奏会のご案内・11 | トップページ | 今日はこの音楽で 10月10日 歌劇「ナブッコ」序曲 »
コメント