今日の音楽 10月19日 タンホイザー
1845年10月19日はワーグナーの歌劇「タンホイザー」が初演された日です。
タンホイザーは中世の騎士道の話で、堕落し快楽の世界(ヴェヌスブルグ)へ身を委ねてしまったタンホイザーが、婚約者エリザベートの献身によって救われるという話。
初演はドレスデンの宮廷歌劇場でワーグナー自身の指揮で演奏されたもので、終幕でヴェーヌスが現れない、エリザベートの生死がはっきりしないなどストーリーが判りづらかった事から、改訂を加えた第2稿が現在ドレスデン版として上演されるものです。
その後、パリで初演する際に、パリではオペラの第2幕に必ずバレエを挿入するという慣習から改訂を依頼されたものの、ワーグナー自身はストーリーの中にバレエを入れる事に不満を抱き、結局序曲の後にバッカナールを挿入しました。が、のんびりと第2幕から遅れてやってくる貴族たちから批判を浴び、わずか3回の上演で終わってしまいました。
現在、パリ版として上演されるのは、その後序曲から直接バッカナールに移行するように改訂されたウィーン版と呼ばれる版で、最近は「ウィーン版」と呼んでいるようです。
「タンホイザー」は、まだ楽劇の完成された姿になってはいませんが、親しみ易いメロディなどから、人気の高い作品です。序曲は、巡礼の合唱のメロディを中心に、劇中に出てくる様々なメロディをたくさん使った序曲になっています。
歌合戦のために大広間に名歌手や貴族たちが入場する音楽、大行進曲です。
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