今日の音楽 9月1日 夕べの祈りと夢のパントマイム
1854年9月1日は、ドイツの作曲家エンゲルベルト・フンパーディンクの誕生日。フンパーディンクはワーグナーの下で活動し、そういう分野があるかどうかはわかりませんが、メルヘン・オペラをいくつか作曲しています。「いばら姫」「王子王女」「いやいやながらの結婚」などを作曲していますが、唯一今でも演奏されるのが「ヘンゼルとグレーテル」です。言わずと知れたグリム童話の中の話ですが、元の話の人や魔女が死ぬシーンが削除されていたり、母親が子供を捨てる目的で野いちご摘みに行かせるという部分が、単に遊んでばかりの子供へのお仕置きで行かせたという内容に変えてあったりメルヘンチックな内容になっています。
このオペラの中で最も有名なのが「夕べの祈り」のメロディ。序曲の冒頭にも出てくるホルンの四重奏で吹かれるメロディです。劇中では、第2幕の後半にヘンゼルとグレーテル(ヘンゼルは男の子ですがメゾソプラノの女性が演じます)の二重唱として登場します。森で迷って夕暮れを迎えてしまった兄妹が歌う曲で、続いて眠りについた夢の世界が表現される「夢のパントマイム」のシーンでも、この夕べの祈りのメロディが効果的に使われています。演奏会では、しばしば「夕べの祈りと夢のパントマイム」として続けて演奏される(勿論歌無しで)事もある、とても幻想的で美しい音楽です。You Tubeで第2幕の最後のシーンを見つけましたので、聞いてみてください。スタートしてしばらくしてから「夕べの祈りと夢のパントマイム」のシーンが始まります。
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