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2010年7月31日 (土)

今日の音楽 7月31日 交響詩「プロメテウス」

1886年7月31日はフランツ・リストの命日。
リストといえば、まずは超絶技巧のピアニストであり、これが練習曲?というような超絶技巧のエチュードの作曲家というのが頭に浮かびます。
また、ベートーヴェンの交響曲全曲やワーグナーの作品をピアノ1台(または2台)で弾けるように編曲したアレンジャーという面もあります。
実際にはドイツ系の人でありながら、生地のハンガリーの音楽を愛し紹介し、自分はハンガリー人だと言っていたという面もあります。
その他評論家の側面、スメタナへの資金援助やグリーグの紹介など音楽家が世に出る手助けを行っていたなど、自身のピアノ演奏会を聴いて絶賛を受けたベートーヴェンとの出会いから娘婿ワーグナーまでの時代の音楽の橋渡しとして非常に重要な役割を演じた音楽家のひとりでした。

そして、ベルリオーズが生み出した標題音楽を交響詩という分野で確立させた作曲家です。リストは交響詩第3番と付けられている「レ・プレリュード」をはじめ13曲の交響詩を生み出しました。演奏会で頻繁に取り上げられているのは「レ・プレリュード」だけですが、第2番のタッソー、悲劇と勝利や第6番のマゼッパもなかなかの作品です。(雰囲気はレプレに似てるけど)
その中で、本日の1曲は第5番の「プロメテウス」です。プロメテウスは人間に「火」を与えてゼウスの怒りを買い、岩山に縛り付けられていたところをヘラクレスに救われるというギリシア神話の神で、この曲はゼウスの怒りと解放の喜びを描いた曲です。中間部では、「火」を得たがために文明を築いくいく困難な過程も表現しています。

ジョー指揮ブダペストフィルで前半です。

2010年7月30日 (金)

今日の音楽 7月30日 ます

1899年7月30日は、ピアニスト ジェラルド・ムーアの誕生日です。
ムーアはピアニストと言っても、ショパンやリストなどのピアノ曲の演奏者ではなくて、伴奏ピアニストとしては20世紀を代表する演奏家でした。
勿論、器楽の伴奏も行っていますが、中でも歌手の伴奏者としては右に出る者はいないでしょう。奥ゆかしい音量で歌手を引き立てる・・・・というピアニストでは決してありません。

伴奏ピアノを芸術まで高めた演奏家と言える存在なのです。著作「お耳ざわりですか-ある伴奏者の回想(原題 Am I too loud?)は、歌手に遠慮して控えめに弾くのではなく、音楽の要求に従い積極的に表に出た演奏をしている彼から歌手へのユーモア溢れるメッセージとして知られています。

中でも、フィッシャー=ディスカウ、シュワルツコップ、ロスアンヘレス、プライなど代表的な作曲家の伴奏をしており、シューベルト、ヴォルフなどのドイツ・リートの名レコーディングには欠かせない存在でした。

シューベルトの歌曲「ます」は、漁師がずる賢い方法で鱒を釣っていく様子に憤りを感じているという内容の歌詞ですが、実はシューバルト(シューベルトではありません)の原詩では、、男はずる賢い方法で娘を釣ろうとするので気をつけなさい、という内容の詩が続いています。

フィッシャーディスカウとムーアのコンビです。

2010年7月29日 (木)

今日の音楽 7月29日 ピアノ協奏曲(シューマン)

1856年7月29日はシューマンの命日。以前誕生日の時(6月8日)には子供の情景を取り上げたので、今日はオーケストラ曲にしましょう。
まあ、シューマンのオーケストレーションが下手とか奇妙とかいう話は別にしておいて、さすがに大作曲家、曲自体は非常に魅力的で、今年の春にウチのオケで第1交響曲の「春」をやった時も、最初は乗り気じゃなかった人も多かったのですが、やっていくうちに良い曲だ~と感じる人が増えたというのも事実でした。

そんな、シューマンの代表作のひとつがピアノ協奏曲。
この曲はピアノと管弦楽のための幻想曲として後に第1楽章となる部分が作曲されました。この元となる「ピアノと管弦楽のための幻想曲」は1回だけ聴いた事がありますが、冒頭がかなり異なる以外にも結構細かく手を入れられています。

そして、シューマンのピアノ協奏曲といえば、ウルトラセブンの最終回。
「アンヌ。僕は、僕はね、人間じゃないんだよ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだよ」というセリフに後、ピアノ協奏曲の冒頭の音楽・・・・。リアルタイムで見ていた時は、勿論この曲がシューマンだなんて知らなかったわけですが、大変に印象に残っていました。後に、初めてシューマンのピアノ協奏曲を聴いた時に「どこかで聴いた事がある曲・・・・」。この2つが繋がるのは、もう少し後、再放送か何かでウルトラセブンを見た時でした。

それから、私がオケ活動をやりだして初めて弾いたコンチェルトが、このシューマンのピアノ協奏曲でした。色々な意味で、この極めてロマンチックで美しい曲は、数あるピアノ協奏曲の中でも好きな曲のひとつです。
余談ですが、この曲はある人へのメッセージが込められていたそうです。
第1主題の冒頭のメロディ、ドーシーララー → CHAA。クララのイタリア語名はCHiArA なんですって。
リパッティのピアノ、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団です。

2010年7月28日 (水)

今日の音楽 7月28日 羊は安らかに草を食み 

1750年7月28日は、大バッハの命日です。バッハが近現代の音楽に与えた影響は計り知れず、バッハの没した18世紀から連綿と繋がるバッハの影響の跡・・・と思いきや、バッハの死後約100年、メンデルスゾーンのマタイ受難曲の紹介を代表する活動によってバッハが見直されるまでは、細々と糸が繋がっていたに過ぎなかった、というのも驚きです。
現在では、ロックアーチストにもバッハの影響を見る事ができます。

多くの曲を残したバッハですが、やはり宗教音楽が彼の真骨頂のひとつ。200曲を超えるカンタータの中から、208番「狩のカンタータ」の中から、「羊は安らかに草をはみ」を聴きましょう。題名のとおり非常に安らかなのどかな気分になる曲です。
この曲、様々な作曲家や指揮者が編曲にチャレンジしています。最も一般的なのはストコフスキー版。ストコフスキーはバッハの曲をたくさんオーケストレーションしていますが、そのひとつです。他にはリード、バルビローリ、マリナーなどのものがありますが、本日のお奨めはイギリスの作曲家ウォルトンが編曲したもの。実は、これはウォルトンがバッハの作品を元に編曲したバレエ音楽「賢い乙女たち」の中の一曲です。

他の編曲がバロックの雰囲気のままで編曲されているという事に比べて、ウォルトン版は和声や楽器の使い方で、新しさを出しつつも、曲の雰囲気をこわさずにアレンジしてあります。是非聴いてみましょう。

エイドリアン・ボルト指揮ロンドンフィルでウォルトン編曲版です。

2010年7月27日 (火)

今日の音楽 7月27日 People

1981年7月27日は映画監督ウィリアム・ワイラーの命日です。

アカデミー監督賞を3回受賞、ノミネートも12回というハリウッドの巨匠の中の巨匠と呼ばれる監督で、この記録は未だに破られていないとか。

代表作は、未だに破られていないアカデミー賞11部門受賞作品のベンハーを筆頭に「我等の生涯最良の日」「ローマの休日」「友情ある説得」「大いなる西部」「コレクター」「おしゃれ泥棒」など。

そんな中で音楽というと、以前取り上げた「大いなる西部」以外には、あまりパッとしないのですが、ミュージカル映画「ファニー・ガール」は別格です。バーブラ・ストライザンドがファニー・プライスという実在したブロードウェイのコメディエンヌ・シンガーを演じ、オマー・シャリフが共演した映画ですが、その中でバーブラが歌う「ピープル」は数多いミュージカル・ナンバーの中でも最上位にランクされる名曲です。バーブラ・ストライザンドの曲の中でも追憶(THE WAY WE WERE)、スター誕生のテーマEVERGREENと並ぶ代表作で、彼女はこの映画でアカデミー主演女優賞を取っています。

2010年7月26日 (月)

今日の音楽 7月26日 フェデリコの嘆き

1876年7月26日は、マスカーニ、レオンカヴァルロと並ぶヴェリズモ・オペラの作曲家フランチェスコ・チレアの誕生日です。

と言っても、「カヴァレリア・ルスティカーナ」や「パリアッチ」に比べると代表作「アドリアーナ・ルクブルール」も知名度の点ではぱっとしませんし、だいたいこのヴェリズモ・オペラ、内容が朝のワイドショーみたいな内容なので、いまひとつ真剣に見る気にはなれないというのが正直なところです。
ただし、音楽的にはドラマチックなアリアが満載されていて、オペラ歌手のレパートリーとしては最適という事なので、録音は結構多いですね。

チレアの出世作は、ビゼーが劇音楽をつけた事で有名になった、ドーデーの「アルルの女」のオペラ版。全曲の録音も演奏も殆ど無いようですが、「フェデリコの嘆き」(ありふれた話)というテノールのアリアは、これぞヴェリズモ!というような劇的な曲。三大テノールも録音をしています。
ジェリー・ハードリーのテノールです。

2010年7月25日 (日)

今日の音楽 7月25日 哀しみのシンフォニー

モーツァルトの交響曲第40番は7月25日にウィーンで完成されました。39番が6月26日、41番が8月10日だから驚くべき速さです。(並行して書かれていたとすると驚くべき器用さですから、どっちにしても驚くべき人です)

クラシック音楽に歌詞をつけてポピュラー音楽にして歌うというのは、最近の「ジュピター」などそれほど珍しい事ではありませんが、この曲の第1楽章に歌詞をつけた曲があります。
元々、第1楽章を「愛よ永遠に」という題名でレイモン・ルフェーヴルとかポール・モーリアがレパートリーにしていましたが、1972年にフランスのシルヴィ・バルタンが同じ第1楽章にイタリア語の歌詞をつけた「哀しみのシンフォニー」(原題はCaro Mozart=モーツァルト様っちゅうような意味ですね。シルヴィ・バルタンは哀しみの兵士という曲が日本でも大ヒットしたので2匹目のどじょうを狙ったタイトルにしたわけです)を発売しました。
これ、結構テンポが遅い。私の中では、このテンポが40番の標準だったので、始めてクラシックでモーツァルトの40番を聴いた時に、その速さに面食らいました(笑)

2010年7月24日 (土)

今日の音楽 7月24日 ヘブライ狂詩曲「シェロモ」

1880年7月24日は、スイス生まれでアメリカで活躍したユダヤ人作曲家、ブロッホの誕生日です。

ブロッホは晩年は無調性音楽に近い音楽を作曲していますが、初期はユダヤに基づく音楽を数多く作っています。このヘブライ狂詩曲「シェロモ」は、その代表作で「シェロモ」は「ソロモン」の事で、独奏チェロがその役割を担っています。独奏チェロとオーケストラの為の作品ではありますが協奏曲的な要素は無く、あくまでもチェロをフィーチャーしたラプソディという形式になっています。

最初と最後は静かに奏でられますが、中間では激しい音楽もあり変化に富んだ作品です。1916年5月3日にニューヨークで初演されています。

ロストロポーヴィチのチェロ、バーンスタイン指揮フランス国立管弦楽団で前半です。

2010年7月23日 (金)

今日の音楽 7月23日 精霊の踊り

1903年7月23日上野の奏楽堂で初めての日本人によるオペラが演奏されました。演目は、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」の日本語による上演。歌手、合唱は全て東京音楽学校の生徒と卒業生有志、エウリディーチェを演じたのは、世界的なプリマになっていた三浦環でした。伴奏はピアノ、指揮は当時東京音楽学校の講師だったノエル・ベリーでした。

精霊の踊りは、第2幕で天国の野原で精霊たちが踊る場面の曲で、フルート曲としても知られている、優雅な曲です。クライスラーがヴァイオリンとピアノ用に編曲したものもよく演奏されます。
「オルフェオとエウリディーチェ」は、ギリシア神話が元になっており、グルックの作品はハッピーエンドだが、悲劇で終る作品、オッフェンバックのようにパロディ作品など多くの作曲家がオペラや管弦楽曲の題材として使っています。日本の神話でも「イザナギとイザナミ」の似たような話がありますね。

演奏は誰だかわかりませんが。

2010年7月22日 (木)

今日の音楽 7月22日 粉屋の踊り

何の罪も無い人のところに、突然警察官がやって来て「逮捕!」という場面。BGMには何を使うか・・・やっぱりベートーヴェンの「運命」の動機なんか良いかも・・・。で、それをやっちゃった作曲家がいます。マヌエル・デ・ファリャ。

1919年7月22日は、ファリャの代表作のバレエ「三角帽子」がロンドンで初演された日です。本来は1917年に作曲が終っていたのですが、第一次大戦の影響で初演ができず、スペインで音楽だけの仮初演をした後オクラ入りになっていましたが、ようやく全曲初演ができたわけです。この時の衣裳や舞台のデザインは、なんとパブロ・ピカソ。(アメリカ初演の時の衣裳・舞台デザインは、サルバトーレ・ダリだったそうです)

「三角帽子」は、粉屋の美人おかみに横恋慕する悪代官が被っている帽子。ストーリーは、働き者の粉屋の主人から、美人な奥さんを奪い取ろうとして罪無き罪で捕らえようとした代官が逆に粉屋の気転でとっちめられる、というお話。これが、奥さんが主人を助けようとして代官に身を預けてしまうと、「トスカ」になっちゃうんでしょうけど・・・
第2幕の有名な「粉屋の踊り」が終ったところで、警官が粉屋の主人を捕らえに来た時の音楽が、ベートーヴェンの「運命」の動機そのまま。ホルンのゲシュトップで吹かれます。

捕まえる場面はありませんが、ポンズ指揮スペイン国立管弦楽団で「粉屋の踊り」です。

2010年7月21日 (水)

今日の音楽 7月21日 屋根の上のヴァイオリン弾き トラディション

20世紀を代表するヴァイオリニストである、アイザック・スターンは1920年7月21日にウクライナで生まれています。1歳の時にアメリカに移住してその後数々の名演を残していますが、スターンの功績は後進の指導や援助という点で、素晴らしい成果を残しました。パールマン、ズッカーマン、ミンツなどのヴァイオリニストを見出し、育て、またカーネギーホールが解体される危機に見舞われた時には中心となって救済活動を行いました。日本でも、宮崎国際音楽祭の初代音楽監督として数多くの演奏家を指導し、宮崎のコンサートホールはアイザック・スターンホールという名称が付けられています。

私が、アイザック・スターンの名前を始めて聴いたのは、中学2年の時、生まれて初めて映画館で見た映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」でした。当時日比谷の映画館街にあった有楽座で、中学校の同級生2人と見に行きました。(生まれて初めて見た映画は、小学校の時に講堂で見た竜の子太郎です)

勿論、クラシック音楽の名演を数多く残しているスターンなのですが、私の中では、スターンはこの「屋根の上のヴァイオリン弾き」のフィドル弾きです。「屋根の上のヴァイオリン弾き」は、森繁久弥がテビエ役を演じてスタートした東宝ミュージカルが有名ですが、私の原点はノーマン・ジュイスン監督の映画でした。有名な「サンライズ・サンセット」も良いのですが、オープニングでアナテフカ村の夜が明けるシーンで、いきなりスターンのヴァイオリンソロから始まる冒頭の「しきたりの歌(Tradition)」の終盤ヴァイオリンが力強く踊り狂う部分が強く印象に残っています。

2010年7月20日 (火)

今日の音楽 7月20日 ウェストサイド物語

1938年7月20日は、女優ナタリー・ウッドの誕生日です。
ナタリーは子役の頃から映画界で活躍し、「三十四丁目の奇蹟」でスターの仲間入り。その後「理由なき反抗」でアカデミー助演女優賞にノミネートされ、「捜索者」「草原の輝き」などでスターの座を確固たるものにしましたが、1981年、映画撮影中、ボートの転覆事故で43歳で死去しています。

ナタリー・ウッドの当たり作の代表が、「ウェストサイド物語」。歌は吹き替えですが、吹き替えられる事を知らなかったナタリーが、それを知って激怒したとか・・・

勿論、ウェストサイドといえば、バーンスタインですね。バーンスタインはクラシックの世界で名が売れる前にもブロードウェイでは名の売れた作曲家だったようです。

マイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団で冒頭部分です。

2010年7月19日 (月)

今日の音楽 7月19日 ペトラルカのソネット

1374年7月19日は詩人ペトラルカの命日です。ペトラルカはラウラという女性のあてた恋愛叙事詩群で有名ですが、イタリア風ソネット(定型詩)も数多く残しています。

ペトラルカの47番、104番、123番の3つのソネットをテノール独唱曲にしたのが、フランツ・リストです。リストは、この曲をピアノ曲にもして、後に巡礼の年第2年イタリアの第4曲から第6曲に組み込みました。

巡礼の年は、リストが自身の人生の旅路で経験した事や思った事をまとめたピアノ曲集で、第1年「スイス」、第2年「イタリア」、第3年と第2年の補遺「ベネチアとナポリ」からなっている曲で40年近くにわたって断続的に作曲したものを纏めた曲集です。

原典の詩では47番は「恋する事の苦しさ、素晴らしさ」、104番は「愛の二面性」、123番は「愛への甘美なあこがれ」を描いています。

アラウのピアノで ペトラルカのソネット第123番です。

2010年7月18日 (日)

今日の音楽 7月18日 剣士の入場

1872年7月18日はチェコの作曲家フチークの誕生日。(これもwikiはまちがってる・・・というか、wikiでクラシック音楽を投稿している人の中にJulyとJuneを間違って米国のwikiを訳している人がいるみたいです)

作品の大半は軍楽隊用の行進曲で、そのほかにはワルツとかポルカなどを300曲以上も書いた作曲家でした。最も有名なのが「剣闘士の入場」という曲。ブラバンやってた人は知っているでしょうね。オケ用の曲なんですが、行進曲なのでブラバンで扱われる事が多いです。
で、この曲は、みんな絶対聞いた事あると思いますよ。それほど有名な曲です・・・題名は知られていないかもしれませんが。

演奏はわかりませんが・・・・唯一見つけたオケ版です。

2010年7月17日 (土)

今日の音楽 7月17日 ビリーホリディ物語愛のテーマ

1957年7月17日は、黒人ジャズシンガー、ビリー・ホリディの命日です。

ビリー・ホリディは、ジャズ史上最高の女性シンガーの一人に数えられる歌手ですが、その生涯は、人種差別との戦い、売春、アル中、麻薬と縁が切れない壮絶な生き方でした。代表作のひとつ「奇妙な果実」も、木に吊り下がった黒人の自殺死体のことで、大変な話題にもなりました。

勿論、私が生まれる1ヶ月程前に亡くなったビリー・ホリディに生で触れる事はできませんでしたが、1972年にダイアナ・ロスの主演で公開された「ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実」でその偉大な存在を知る事ができました。

その中で、ミシェル・ルグランによって作曲された、「愛のテーマ」は非常に穏やかな慈愛に満ち溢れた曲として、強く心に残っています。
ミシェル・ルグラン自身のピアノをフィーチャーした演奏です。

2010年7月16日 (金)

今日の音楽 7月16日 後宮からの誘拐序曲

オーストリア皇帝からの依頼で作曲された、ドイツ語によるオペラ、後宮からの誘拐は1782年7月16日、ウィーンのブルク劇場で初演されています。
あの、映画「アマデウス」で終演後、皇帝が「・・・・ちょっと音が多すぎる」と感想を述べモーツァルトが「無駄な音は一つも無い」と答えた作品ですね。このエピソードは眉唾ものらしいですが・・・

モーツァルトの序曲の中では超メジャーな「フィガロの結婚」とトロンボーンもある「魔笛」に次いで演奏される機会が多い曲だと思います。
ストーリーは海賊に捕らわれ地中海沿岸の(仮想 トルコ)太守に売られハーレムに入れられた恋人コンスタンツェを主人公ベルモンテが救い出そうとして失敗するが、太守セリムが2人の愛の深さに心を動かされ2人を赦、という話です。曲中にはトルコ風のリズムなどが頻繁に出てきます。
その為に、序曲も大太鼓、シンバル、トライアングルといった鳴り物とピッコロが出てきます。モーツァルトだけの演奏会になると、コンチェルトやシンフォニーは完全2管編成の曲すら少ないので、第1曲目が一番派手という事になりがちですが・・・
後宮からの誘拐の序曲は、オペラ全曲版の場合は実は静かに終ってそのまま第1幕へ入っていきます。演奏会用とか、序曲単独の録音の場合、違うスコア使って派手に終る場合もありますね。
グスタフ・クーン指揮ロンドンフィルです。

2010年7月15日 (木)

今日の音楽 7月15日 ならず者

1946年7月15日はアメリカのミュージシャン、リンダ・ロンシュタットの誕生日です。オリヴィア・ニュートン=ジョンと並ぶ美人歌手として扱われましたが、歌唱力は雲泥の差かな。(当時は、私はオリヴィア派でしたが)今聴いてみるとリンダ・ロンシュタットの方が全然良いです。

ドイツ人にメキシコの血が混じっているのですが、アメリカ生まれのアメリカ育ちでカントリー歌手としてデビュー。オリジナル曲は少なく、過去にあまりヒットしなかった曲のカバーが多く売れていない歌手を世に出すきっかけ作りにも貢献しました。一時期バックバンドをやっていたのがイーグルスで、この「ならず者(Desparado)」はイーグルスのオリジナル。西部開拓時代のならず者をテーマにしたコンセプトアルバムのタイトル曲で、シングル発売はされませんでしたが、このリンダ・ロンシュタットやカーペンターズがカバーして、今ではロック史上に残る名作になっています。日本でも平井堅がカバーしました。

リンダ・ロンシュタットの歌唱力に驚かされるのが、2000年に発売されたA Merry Little Christmas 。ホワイトクリスマスやクリスマスソングなどのスタンダードのソロのほかに、賛美歌を歌っているのですがアカペラで時にはコーラスをバックに、時にはコーラスに溶け込んでの見事な歌声を披露しています。

2010年7月14日 (水)

今日の音楽 7月14日 巴里祭

フランス革命を扱ったクラシック音楽ってあまり無いみたいですね。
オネゲル、イベール、ルーセルなどが合作した劇音楽ぐらいしか見当たりませんでした。
1789年7月14日、パリ市民のバスティーユ監獄襲撃に端を発したフランス革命を記念して、7月14日はフランスでは祝日になっています。ただ、この日をパリ祭と呼ぶのは日本だけ。フランスでは単に「Le Quatorze Juillet(ル・カトルズ・ジュイエ=7月14日)」と呼ぶらしいですし、英米ではバスティーユ・デイだとか言うそうです。日本で「パリ祭」と呼ぶようになったのは、1933年に公開されたパリの下町人情物の映画(革命とは直接関係無く、革命記念日前夜が舞台になっている)"14 JUILLET"がキッカケだそうです。日本で公開するに当たって原題そのものの「7月14日」では日本人には何の事かわからないし、当時の社会情勢を考えると「革命記念日」などという題名にしたら絶対に検閲が通らない・・・・という事で「巴里祭」としたそうです。これをきっかけに、日本では、このフランス革命の日を「パリ祭」と呼ぶようになったそうです。

この映画のテーマ曲「巴里祭」の作曲は、トリュフォーの思春期やアデルの恋の物語などの映画の音楽を担当したモーリス・ジョベール。いかにもパリっ子という軽妙洒脱なメロディです。
ジャクリーヌ・フランソワの歌です。

2010年7月13日 (火)

今日の音楽 7月13日 南国のばら(シェーンベルク編曲)

7月13日はオーストリアの作曲家シェーンベルクの命日です。シェーンベルクは無調性音楽の創始者で、ベルク、ウェーベルンへ続く新ウィーン楽派の代表的作曲家です。シェーンベルクも初めの頃は後期ロマン派に属する作品が多く、「浄夜」「ペレアスとメリザンド」などは12音技法を取り入れる前の作品のため比較的聴き易い音楽ですが、1910年代後半から次第に調性を取り払った作品へと移行していきました。

ウィーン生まれのユダヤ人だったシェーンベルクは、ナチスの弾圧から逃れるためにアメリカに亡命し、1951年にロサンゼルスで亡くなっています。数多い作品のほかに、他の作曲家の管弦楽作品を小編成に編曲したり、大きな編成に編曲した作品が幾つか残されています。ブラームスのピアノ四重奏曲のオーケストラ版は演奏上の難曲として知られていますし、ヨハン・シュトラウスの「皇帝円舞曲」「南国のばら」をサロン音楽風の小編成にアレンジしていますが、かなり演奏は難しくなっているようです。ただ、原曲のウィンナワルツの雰囲気はそのまま継承しているので、決してゲテモノではありません(笑)。

南国のばらは1921年に編曲されたピアノと弦楽四重奏、ハルモニウムという編成になっています。

ライヒェルト指揮のバーデン・バーデン合奏団です。

2010年7月12日 (月)

今日の音楽 7月12日 ピアノ協奏曲第1番(チャイコフスキー)

1934年7月12日はピアニストのヴァン・クライバーンの誕生日。
ヴァン・クライバーンといえば、辻井君がヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝して話題になっていますが、ヴァン・クライバーン自身は第1回チャイコフスキー国際コンクールの優勝者。なんと審査員のひとりだったリヒテルは、クライバーンに25点満点、その他の参加者全てに0点をつけたというほどの差があったようですね。

クライバーンの演奏するチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(コンドラシン指揮RCA交響楽団)は、全米のビルボードポップ・アルバムチャートで7週連続の第1位という、クラシックとしては唯一の記録を残しているそうです。2枚目のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番もトップ10に入る大ヒットになったそうです。

いまさらチャイコフスキーのピアノ協奏曲の事をどうこう言っても仕方ないですが、個人的には第2楽章が好きです。だいたいコンチェルトの第2楽章はやたらにソロ楽器のゆっくりとした甘美な旋律で支配されるのですが、チャイコフスキーの1番は中間部で小気味の良い展開が楽しめ、それでいて全体の印象は優美な楽章ですよね。

クライバーンとコンドラシンの演奏(一部ですが)置いておきましょう。音滅茶苦茶悪いですけど・・・・

2010年7月11日 (日)

今日の音楽 7月11日 キューバ序曲

1937年7月11日はガーシュウィンの命日。
ガーシュウィンの代表作といえば、「パリのアメリカ人」「ラプソディ・イン・ブルー」「ピアノ協奏曲」「ボギーとベス」あたりですが、この「キューバ序曲」は短い(10分ぐらい)けれどガーシュウィンらしい曲です。
ガーシュウィンがキューバに行った時に、その陽気な音楽に影響を受けて作曲した、いわば「ご当地ソング」です(笑)

キューバの音楽といえば、スペイン系の音楽とアフリカ音楽が融合したラテン系音楽の中枢をなす音楽。ルンバ、ハバネラ、マンボ、チャチャチャ、サルサ・・・・みんなキューバ発祥の音楽。キューバ序曲はルンバのリズムで作曲された非常に明るい音楽です。ボンゴ、マラカス、ギロといった民族楽器も多く登場する4管編成の大掛かりな曲ですが、ヨーロッパの(特にドイツ、オーストリア)オーケストラには全く合わなそうな曲ですね。
以前、ベルギーでベートーヴェンのような「キャンディード」を聴きましたが辟易でした(笑)

レヴァイン指揮シカゴ響です。

2010年7月10日 (土)

今日の音楽 7月10日 魔笛の主題による変奏曲

スペインの作曲家・ギタリストのフェルデナント・ソルは1839年7月10日パリで没しています。ギターは居酒屋で使う楽器というイメージが強く、クラシックでは傍流だったギターの地位を高めたのがソルです。この第一次クラシックギター時代を支えたのがソルと教則本で有名なカルカッシ。その後20世紀に第二次のクラシックギター時代が訪れ、ロドリーゴ、タレガ、カステルヌーヴォ=テデスコなどが輩出されました。

ソルの代表作が「モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲」。この曲は、第1幕の終幕近くの「おまえの魔法の調べは何と力強いのだろう…なんてまあすてきな音だ」というアリアの最後の方でハミングで歌われる曲です。
本来は数分間の序奏があるのですが、最近は序奏なしでいきなり主題から始まる場合が多いみたいですね。
ギター曲らしい明快な曲ですので聞いてみてください。

Francisco Valentino Omanaのギターです。前奏つきです。

2010年7月 9日 (金)

今日の音楽 7月9日 組曲「鳥」

1879年7月9日はレスピーギのお誕生日です。
レスピーギといえば2つの顔を持つ作曲家。ローマ三部作で代表される豪華絢爛・豪放磊落・大胆不敵(笑)な超特大編成の曲の作曲家。
もうひとつが、リュートのための古風な舞曲とアリアに代表される古典音楽を取り込んで新しい時代の息吹を与えた曲。

組曲「鳥」は後者の代表曲のひとつで、鳥を模したバロックのクラヴサン曲をを題材に2管編成のオーケストラ曲にした曲で、前奏曲、鳩、めんどり、夜鶯、かっこうの5つの曲から出来ています。特に、前奏曲とかっこうの最後の部分は、知らずに聞くと完全なバロック音楽の雰囲気なのですが、よく聞いてみるとバロック音楽とは響きがまるで違っていて、分厚いし、華やかです。さすがにオーケストレーションの技巧派レスピーギといったところでしょうね。

演奏時間は20分弱で、けっこう面白い曲ですから聞いてみましょう。
ルイス・レイン指揮アトランタ交響楽団で、第1曲「前奏曲」、第2曲「鳩」、第3曲「牝鶏」です。

2010年7月 8日 (木)

今日の音楽 7月8日 キージェ中尉

1934年7月8日、プロコフィエフは前年に映画音楽用に書いた「キージェ中尉」を演奏会用の交響組曲として改作し、初演しました。

キージェ中尉は、しばしばコダーイのハーリ・ヤーノシュとのカプリングでCD化されていますが、ロシアとハンガリーという共通性の無い2つの作品がどうしてカプリングされるのか、というと「風刺」がキーワードになります。ハーリ・ヤーノシュはハンガリー版ほら男爵の冒険&吉四六さん。Big Mouthのお話ですが、キージェ中尉は、ロシアの宮廷を風刺した非常に愉快なストーリーです。
まず、タイトルロールのキージェ中尉が登場人物として出てきません。
実は「キージェ中尉」は聞き違えから誕生した架空の人物なのです。

ある日ロシア皇帝がうたた寝をしていると女官の悲鳴があがりました。怒った皇帝が廷臣に当直責任者を訪ねたところ、廷臣が曖昧な回答をしたのを皇帝が「キージェ中尉」と聞き間違え、シベリアに流刑にしてしまいます。ところが、この皇帝「自分を暗殺されるところを、わざと女官に声を上げさせて救ってくれたのかもしれない」と考え、キージェ中尉を呼び戻し、美しい妻を娶らせる事にしました。この架空のキージェ中尉の結婚式が盛大に催され、困り果てた大臣たちは一計を案じ、キージェ中尉が急死したという偽りの知らせを送らせ、最後は厳かな葬儀で物語が終ります。
組曲は、キージェ中尉の誕生、ロマンス、キージェの結婚、トロイカ、キージェの葬式の5曲で、20分弱の曲です。

威勢のよい1曲目からコントラバスで始まるロマンス、最後に消えて無くなる葬式まで、結構変化に富んでいて飽きない丁度良い時間の曲です。
(葬式は、今までのオムニバス的な曲ですが)
マゼール指揮フランス国立管弦楽団で2曲目の「ロマンス」です。

2010年7月 7日 (水)

今日の音楽 7月7日 子供の不思議な角笛

1960年7月7日はマーラーの誕生日。
本当は、交響曲第2番、3番、5番、9番・・・あたりを、と思ったのですがちょっと長すぎる。平日にゆっくり聞くのは無理。なので、もう一方の得意分野である歌曲から「子供の不思議な角笛」を選びました・・・が、これも全部聞くと50分ぐらいかかるんだよねぇ。

「子供の不思議な角笛」はアルニムとブレンタールによって収集されたドイツの民衆歌謡の3巻からなる詩集。マーラーによって歌曲集として作曲されたのが全12曲。但し、この歌曲集以外にも「子供の不思議な角笛」の詩集を使った曲が3曲あって、時々入れ替えて演奏されたりしているようです。2番から4番までの交響曲にはこの歌曲集が部分的に(或いはそのまま)使われていて、俗に角笛交響曲と言われています。

第2番「復活」に使われているのが「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」。これは第3楽章の奇妙なスケルツォに使われています。そういえば、「復活」の3楽章のトリオはコンバスがDIVになって掛け合いでメロディ弾かされる。だいたい、コンバスという生き物は通奏低音的存在なので、こういう内部分裂したような演奏は超苦手。(自然に内部分裂する事はしばしばあるが)精神的苦痛でした。

それから第4楽章には「原光」がそのまま使われています。(「原光」は子供の不思議な角笛の演奏から時々割愛される)オケだけで「復活」の練習をしている時は、この第4楽章は非常に退屈でキライでした。ところが、アルトのソロが入ってからはこの楽章がとても楽しみ。(共演されたアルトのおネエさまがとても豊かな声量と声質だったから)、これぞアルトの声!で痺れっぱなし。なので、中途半端な入り方をするコントラバスはしばしば落ちてました(笑)
第3交響曲の第3楽章に使われているのが「夏の歌い手交代」。第3番の第5楽章や第4番「大いなる喜びへの讃歌」に使われているのは、この歌曲集に入っていない詩です。

マーラーはオケ伴奏の歌曲集を幾つか作っていますが、「子供の不思議な角笛」は1曲がそれ程長くなくて、変化に富んでいるので全部じゃなくてもつまみ食いで聞いてもよろしいかと思います。
フィッシャー=ディスカウの歌で、「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」です。

2010年7月 6日 (火)

今日の音楽 7月6日 この素晴らしい世界

1971年7月6日世界的なトランペット奏者でありジャズ音楽家であった、ルイ・アームストロングが亡くなりました。天才トランペット奏者であり、歌手としても活躍し、マイルス・デイヴィスに「アームストロングは喋りまでジャズになっている」と評された根っからのジャズ人間でした。

また、あの人懐っこい容貌と明るさの上に、確固として技術力という事でアメリカの音楽界のカリスマ的存在で、他に追随を許さないミュージシャンでした。映画「ハロー・ドーリー」でのバーブラ・ストライザンドとの掛け合いのタイトル音楽はそんなルイ・アームストロングの魅力を見ることができる場面でした。

「この素晴らしき世界 WHAT A WONDERFUL WORLD」は1968年のヒットで、全米ではそれ程ヒットしなかったがイギリスでチャートのトップになった曲です。その後、様々な映画やCMにも使われ、多くの歌手にカバーされてスタンダードとなった曲で、日本でもホンダのワンダーシビックなどのCMで使われました。

2010年7月 5日 (月)

今日の音楽 7月5日 ピアノ協奏曲第4番(ベートーヴェン)

1969年7月5日は、20世紀を代表するピアニストであるウィルヘルム・バックハウスの命日です。
バックハウスはベートーヴェン→ツェルニー→リスト→ダルベール→バックハウスと繋がるベートーヴェンの直系の弟子と言われていて、代表作もベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、ピアノ・ソナタ全集です。

バックハウスが最も好きだった曲がベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。イッセルシュテット指揮ウィーンフィルでの録音は今でも名盤のひとつです。バックハウスは特に第1楽章の冒頭(ピアノのソロで始まるところ)がお気に入りで、何回演奏しても満足できないと言っていたそうです。

第1楽章の主題は同時に初演された「運命」の動機に似ているという指摘をされていますが、運命とは逆でとても明るい伸びやかな曲です。第2楽章はうって変わって沈鬱な曲。ピアノと弦のユニゾンだけで語りかけあうという内容。第3楽章は軽快な曲ですが、コンバスにとっては超難曲です。下のビデオ映像の40秒すぎぐらいのところからです。。。
勿論バックハウスのピアノで聴いてもらいたいです。

バックハウスのピアノ、ベーム指揮ウィーンフィルで第3楽章です。

2010年7月 4日 (日)

今日の音楽 7月4日 史上最大の作戦マーチ

ミッチー・ミラーは1911年7月4日に生まれた音楽家ですが、NHKで1963年ぐらいに放映されていた「ミッチと歌おう」という音楽番組で日本に知られるようになったそうです(私もこの番組は知りません)。

元々はクラシックオーケストラのオーボエ奏者でしたが、(Rシュトラウスのオーボエ協奏曲のアメリカ初演で演奏したのも彼だそうです)「ミッチと歌おう」で指揮をしていたミッチー・ミラー合唱団は、黄色いリボンとかテキサスの黄色いバラ、「戦場にかける橋」のクワイ川マーチを歌っていた男声コーラスでした。

その中で、今日は「The Longest Day」を聴きましょう。作曲したのはポール・アンカ。この映画にもレンジャー部隊の隊員として出演していました。

2010年7月 3日 (土)

今日の音楽 7月3日 シンフォニエッタ

1854年7月3日がチェコを代表する作曲家ヤナーチェクの誕生日です。ヤナーチェクは、チェコ№1と№2の(誰がつけた順位なんだ?)ドボルザークとスメタナが西部のボヘミア出身であるのと異なり、東部のモラヴィア地方出身なので、音楽的にも少しこの2名とは雰囲気が違っています。

「タラス・ブーリバ」「利口な女狐の物語」「イェヌーファ」などの代表作がありますが、最晩年の比較的幸福な時期に作曲された「シンフォニエッタ」はいかがでしょうか。
「シンフォニエッタ」は小さな交響曲という意味ですが、これは看板に偽りあり。チェコの陸軍のために意図されたこの曲は変則的な4管編成という大編成で、時間も25分弱という、とても「小交響曲」とは言えない曲です。冒頭からファンファーレがなり響き、各楽章標題がつけられています。第1楽章の「ファンファーレ」から始まり、城(ブルノのシュピレブルク城)、修道院(ブルノの王妃の修道院)、街頭(古城に至る道)、市役所(ブルノ市役所)という5つの楽章からできていますが、この標題そのものから先入観を持って聴くと全く違う音楽という感じです。最終楽章もはじめこそ静かに始まりますが、最後は豪華絢爛! どこが市役所なんだ!
まあ、軍隊の音楽ですね。

そういえば村上春樹の「1Q84」の中で頻繁に「シンフォニエッタ」が登場してきているために、この曲の問い合わせが増えたらしいですよ。

お奨め盤としては、マッケラスのウィーンフィル盤は派手です。(動画はブーレーズ盤で最終楽章です)

2010年7月 2日 (金)

今日の音楽 7月2日 パピヨンのテーマ

今日は映画監督のフランクリン.J.シャフナーの没後20年です。それ程多くの作品を手がけた監督では無いですが、一作一作が名作揃い。ブラジルから来た少年、猿の惑星、パットン大戦車軍団、ニコライとアレクサンドラなどがありますが、最も好きなのは「パピヨン」。無実の罪で終身刑となってフランスの市民権を奪われ南米の収容所に流刑となった「パピヨン」の自由への不屈の戦いと、囚人仲間のドガとの友情を描いた実話に基づく作品で、主演のスティーヴ・マックインが単なるアクション・スターから本物のスターになったとも言われる作品。ドガ役のダスティン・ホフマンとのコンビは最高の配役だったと思いますね。

断崖絶壁の孤島から飛び込みココナッツの袋に乗って激しい波間を次第に遠ざかって行くラストシーンで流れる「パピヨン」のテーマは数々の映画音楽を手がけたジェリー・ゴールドスミスの作曲。彼の作品の中ではチャイナタウンと並んで好きな音楽です。

当時は、これこそ「男の映画だ!」と思いました。

2010年7月 1日 (木)

今日の音楽 7月1日 ジムノペディ第1番

「乾からびた胎児」「でぶっちょの木製人形へのスケッチとからかい」「古い金貨と古い甲冑」「スポーツと気晴らし」「自動記述法」「最後から2番目の思想」・・・

およそ、音楽の題名とは思えない作品を作曲したエリック・サティは1925年7月1日生まれです。それまでの伝統的な西洋音楽の変革に大きな役割を果たし、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキー、メシアンさらにはケージなどに大きな影響を与えました。自由な調性、小節線の排除、拍子の排除なども行い、また「ヴェクサシオン」における840回の繰り返しなど芸術的な音楽から環境音楽への変化も垣間見る事ができ、イージーリスニングやニューエイジの元祖ともいえる位置づけと見られています。

サティの作品の中でも群を抜いて人気が高いのが、ジムノペディ第1番。ジムノペディは古代ギリシアのアポロンやバッカスなどの神々を全裸で讃えたお祭り「ジムノペディア」に由来しています。騒がしいお祭りとは無縁の静かな、装飾の少ない簡潔な音楽なのは、サティが、このお祭りを描いた古代の壷から曲想を得たという事らしいです。

ジムノペディ1番は、大変難しい曲です。。。というか、譜面さえ読めればピアノを今日初めて習う人でも弾けそうな譜面(四分音符、二分音符、付点二分音符ばかり)なので、これをあまり情感を込めずに、しかし響きを大切に演奏するのは難しいんでしょうねぇ。
ドビュッシーがオーケストラ編曲したものもあります。2本のフルートと1本のオーボエ、4本のホルンと弦五部の編曲ですので、これも聴いてみてください。個人的にはやっぱりピアノの単純な響きが合ってるかな。

お奨めは高橋アキ。全集もベスト盤もありますよ。
チッコリーニのピアノです。

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