今日の音楽 7月28日 羊は安らかに草を食み
1750年7月28日は、大バッハの命日です。バッハが近現代の音楽に与えた影響は計り知れず、バッハの没した18世紀から連綿と繋がるバッハの影響の跡・・・と思いきや、バッハの死後約100年、メンデルスゾーンのマタイ受難曲の紹介を代表する活動によってバッハが見直されるまでは、細々と糸が繋がっていたに過ぎなかった、というのも驚きです。
現在では、ロックアーチストにもバッハの影響を見る事ができます。
多くの曲を残したバッハですが、やはり宗教音楽が彼の真骨頂のひとつ。200曲を超えるカンタータの中から、208番「狩のカンタータ」の中から、「羊は安らかに草をはみ」を聴きましょう。題名のとおり非常に安らかなのどかな気分になる曲です。
この曲、様々な作曲家や指揮者が編曲にチャレンジしています。最も一般的なのはストコフスキー版。ストコフスキーはバッハの曲をたくさんオーケストレーションしていますが、そのひとつです。他にはリード、バルビローリ、マリナーなどのものがありますが、本日のお奨めはイギリスの作曲家ウォルトンが編曲したもの。実は、これはウォルトンがバッハの作品を元に編曲したバレエ音楽「賢い乙女たち」の中の一曲です。
他の編曲がバロックの雰囲気のままで編曲されているという事に比べて、ウォルトン版は和声や楽器の使い方で、新しさを出しつつも、曲の雰囲気をこわさずにアレンジしてあります。是非聴いてみましょう。
エイドリアン・ボルト指揮ロンドンフィルでウォルトン編曲版です。
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