今日の音楽 7月21日 屋根の上のヴァイオリン弾き トラディション
20世紀を代表するヴァイオリニストである、アイザック・スターンは1920年7月21日にウクライナで生まれています。1歳の時にアメリカに移住してその後数々の名演を残していますが、スターンの功績は後進の指導や援助という点で、素晴らしい成果を残しました。パールマン、ズッカーマン、ミンツなどのヴァイオリニストを見出し、育て、またカーネギーホールが解体される危機に見舞われた時には中心となって救済活動を行いました。日本でも、宮崎国際音楽祭の初代音楽監督として数多くの演奏家を指導し、宮崎のコンサートホールはアイザック・スターンホールという名称が付けられています。
私が、アイザック・スターンの名前を始めて聴いたのは、中学2年の時、生まれて初めて映画館で見た映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」でした。当時日比谷の映画館街にあった有楽座で、中学校の同級生2人と見に行きました。(生まれて初めて見た映画は、小学校の時に講堂で見た竜の子太郎です)
勿論、クラシック音楽の名演を数多く残しているスターンなのですが、私の中では、スターンはこの「屋根の上のヴァイオリン弾き」のフィドル弾きです。「屋根の上のヴァイオリン弾き」は、森繁久弥がテビエ役を演じてスタートした東宝ミュージカルが有名ですが、私の原点はノーマン・ジュイスン監督の映画でした。有名な「サンライズ・サンセット」も良いのですが、オープニングでアナテフカ村の夜が明けるシーンで、いきなりスターンのヴァイオリンソロから始まる冒頭の「しきたりの歌(Tradition)」の終盤ヴァイオリンが力強く踊り狂う部分が強く印象に残っています。
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