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2010年6月30日 (水)

今日の音楽 6月30日 タラのテーマ

マーガレット・ミッチェル女史が10年近く費やして書いた生涯最初で最後の作品「風と共に去りぬ」が出版されたのが1936年6月30日。
あっという間に大ベストセラーになり、1939年には映画化され公開されたわけですが、3時間42分という長い映画を私が始めて見たのは、1972年2月11日新宿のミラノ座。何故、そんなに詳しく覚えているかというと、この日は札幌オリンピックの90m級ジャンプがあった日。70m級ジャンプで日の丸飛行隊がメダル独占したので、90m級にも期待がかかっていたのですが、母親の付き添いで映画を見に行かねばならず、トランジスタラジオで中継を聴きながら(勿論イヤホンで)映画を見ていたからです。。。

「風と共に去りぬ」の映画で忘れてならないのがマックス・スタイナーの音楽。タラのテーマの雄大な音楽は映画史上でも1,2を争うドラマチックな音楽で、クラシックの交響詩と言っても恥ずかしくない音楽だと思います。
それもそのはずマックス・スタイナーは、名付け親がR.シュトラウス、ピアノの先生はブラームス、作曲の先生はマーラーだったのですからね。

「タラのテーマ」は物凄い数の録音がありますが、やっぱりオリジナル・スコアが一番。ただし、サウンドトラックは録音が古くアナログ録音でもあり、オーバー気味の音量で歪んでしまっているので、チャールズ・ゲルハルト指揮のナショナルフィルハーモニーというオリジナルスコアを使用した全曲版が良いでしょう

2010年6月29日 (火)

今日の音楽 6月29日 花

1903年6月29日は瀧廉太郎の命日です。
瀧廉太郎はわずか23歳で結核で亡くなった夭折の天才作曲家と言われています。
作品自体は、遺作となった「憾」(うらみ・・・若くして死ななければならない無念さを込めた作品)というピアノ小品以外は、歌曲しか残されていません。代表作である「荒城の月」「箱根八里」「花」の他に、幼稚園唱歌として「鳩ぽっぽ」「雪やこんこ」「お正月」「鯉のぼり」などを作曲しています。

「花」は組曲「四季」という4曲からなる歌曲集の「春」の部分ですが、他の3曲は殆ど歌われなくなってあまり知られていません。「春のうららの隅田川・・・」で始まるこの曲は武島羽衣の作詞ですが、個人的には3番の詩が好きです。「錦おりなす 長堤に 暮るれば昇る朧月 げに一刻も千金の眺めを何にたとうべき」・・・光景が目に浮かぶ歌詞です。
この曲は、ウチのオケがベルギーに行った時に現地の合唱団と共演した曲のひとつでした。3コーラスの曲ですが、各コーラスの詩に従って、ほんの少しずつメロディが変えてあるのもステキです。

瀧廉太郎は、ライプツィヒ音楽院に留学し、これから本格的な西洋音楽を学ぶという時に肺結核を発病し、1年で帰国。その後帰らぬ人となったわけです。もし、彼が早逝しなければ日本人による本格的な後期ロマン派か12音音楽の作品が聴けたかもしれませんね。
安田祥子と由紀さおり姉妹の歌です。

2010年6月28日 (月)

今日の音楽 6月28日 ヴァイオリン協奏曲(ブラームス)

1831年6月28日は、名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの誕生日です。勿論、この世紀のヴァイオリニストの演奏を直接聴く事はできませんが、ヴァイオリンの先生としてアウアー、フバイらを育て、その弟子から生まれた孫弟子ジンバリスト、ハイフェッツ、ミルシティン、シゲティといった孫弟子など層々たる人達を思うとその偉大さがわかりますね。

そんなヴァイオリニストですから彼に献呈された曲も数知れず。有名どころではシューマン、ブルッフ、ドボルザークのヴァイオリン協奏曲の献呈を受けています。ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスのヴァイオリンの三大協奏曲との因縁も深いものがあります。
ベートーヴェンのものは、初演後、日の目を見なかったこの作品をヨアヒムが積極的に演奏会に取り上げ現在のように知名度の高い曲にしました。メンデルスゾーンはヨアヒムの師匠、そしてブラームスは非常に関係の深い仲で、ブラームスはヴァイオリンの技術的なアドバイスをヨアヒムから受けて作曲、献呈していますし、ダブル協奏曲の初演演奏、交響曲第1番のイギリスでの初演指揮など密接な関係があります。

従って、今日はこのヴァイオリン協奏曲を聴きましょう。私はオイストラフがヴァイオリンを弾いたクレンペラー版とセル版を持っています。全体的にはセル版の方が良さそうですが、最終楽章はクレンペラー版の元気の良さも捨てがたいです。
オイストラフのヴァイオリン、ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ放送交響楽団の演奏で第3楽章です。

2010年6月27日 (日)

今日の音楽 6月27日 シバの女王

今日はレイモン・ルフェーブルの三回忌。
で、レイモン・ルフェーブルと言ったら「シバの女王」です。

シバの女王といえば、イスラエル王のソロモンの名声を聴いて表敬訪問をしたと旧約聖書に書かれていて、ソロモンに多くの質問を試みたが全て答えられた、という事らしいです。
グラシェラ・スサーナが歌っていたのは「サバの女王」・・・同じ曲です。
シバは英語、サバはフランス語(この曲は元々シャンソン)。ルフェーブルの曲はアメリカで大ヒットしてビルボードのランクにも入ったので日本では英語の「シバ」になったんでしょうね。

ルフェーブルは、このほか「涙のカノン」「幻想のアダージョ」などクラシックの音楽のアレンジも得意中の得意でした。

2010年6月26日 (土)

今日の音楽 6月26日 禿山の一夜

1933年6月26日は 指揮者クラウディオ・アバドの誕生日です。
アバドといえば、カラヤンの後任としてベルリンフィルの芸術監督に就任し2002年まで12年以上音楽界のトップに君臨した指揮者ですが、誠実で生真面目な性格もあって(芸術家にはこの性格は手放しで良い性格では無いのかもしれません)ハズレの演奏は無いけども、これと言った「何か」を感じる事の出来ない指揮者ではあります。

そうは言っても、アバドの音源はたくさん持ってます。100曲以上あるな。

中でも、アバドはムソルグスキー・フリークとして知られています。
「禿山の一夜」は、今はリムスキー=コルサコフが編曲したものが殆どの演奏会で聴かれる版ですが、最初にモチーフとして登場したのが歌劇「サランボー」でした。その後、現在『原典版』として時々演奏される交響詩として完成されました。その後歌劇「ソロチンスクの市」の中で合唱曲として使われ、更にリムスキー=コルサコフがオーケストレーションを全面的にやり直したという変遷があります。アバドはこの4つの版を全て録音しています。
原典版は、リムスキー版に比べると華やかさは無いし、後半の穏やかな部分が無いですけど、不気味さは強いですね。

勿論アバドのベルリンフィルの録音があります。
その、アバド指揮ベルリンフィルで、原典版の演奏。前半です。

2010年6月25日 (金)

今日の音楽 6月25日 火の鳥

久々にメジャーな曲です。
ストラヴィンスキーのバレエ「火の鳥」の初演がちょうど100年前、1910年6月25日。パリ・オペラ座で、指揮は小牧神の入場などの作曲で知られているピエルネでした。

現在、我々が接する事ができる「火の鳥」は全曲版である1910年版(原典版)のほかに、組曲版として1911年版、1919年版、1945年版があります。10年版と11年版は4管編成、19年と45年が2管編成。アマチュアが良く手を出すのは2管の19年版ですね。

その理由は、
①原典版は、編成がでかすぎ。コントラファゴットが2本必要だったり、ハープが3本、チェレスタ、ピアノがあって、バンダでワグナーチューバもある。
②1911年版は、カスチェイ一党の凶悪な踊りで終っていて、子守歌とあの粘っこい終曲が省かれている。(実際に演奏する時は、この2曲を付け加えて演奏する場合もあるようです)
③45年版は、作曲からかなり時間が経ており、大幅に改編されているため、ところどころお馴染みではないサウンドが出てきます。特に、あのねばねばした終曲が、オリジナルで4分音符を使用しているところで8分音符+8分休符に変えられており、粘っこさ(しつこい)に欠けるため劇的な雰囲気が損なわれているキライがあります(これも、演奏によってはこの曲だけ差し替える、または音符を変更する事も行なわれているようです)

・・・・って、この曲は実は演奏した事がありません。というか、コンバス実に面白くない。最初だけ。だいたい、ストラヴィンスキーのオリジナル版の指定は4管編成、16型にもかかわらずコンバスたった6本。。。重要じゃ無いのね・・・という感じ。
あ、でも聴くのは好きですよ。やっぱりストラヴィンスキーの中では「火の鳥」と「プルチネルラ」は疲労感を感じずに聴けますから(笑)

音源は各版とも持ってます。しかも修正加えたヤツ
全曲版が ドラティのデトロイトとブーレーズのシカゴ
11年版はアシュケナージのサンクトペテルブルグ
19年版はバーンスタインのイスラエルフィル
45年版はマイケル・スターンのチューリヒ・トーンハレ
どれもたまたま図書館にあったもので、満足というものでは無いですけど。
マリインスキー劇場での上演で、最後の場面です。

2010年6月23日 (水)

今日の音楽 6月24日 ゆうこ

6月24日は、村下孝蔵の命日です。
ずっと肝臓を患っていて、最後は高血圧性の脳内出血でコンサートのリハーサル中に倒れ帰らぬ人となりました。享年46歳。

1983年「初恋」のヒットでブレイクし、「踊り子」「少女」などのヒットを飛ばしたシンガーソングライターでした。ヴェンチャーズや加山雄三が好きで、ギターテックニックをコピーして育った世代で、コンサートでもその一端を披露してくれていました。英語を使わず日本語で情景や心情を描写しており、歌詞だけ見ると「演歌」かな、と思うような独特の世界でした。演歌嫌いの私ですが、村下孝蔵の歌は好きでしたね。村上保氏の切り絵のジャケットが曲の雰囲気にマッチしてました。

そんな、村下孝蔵の初のヒット曲が「ゆうこ」でした。

記憶の陰にポツリと座り寂しげに 白い指先ピアノを弾く女・・・・
ショパンが好きよ 悲しい調べ奏でれば恋のできない 私に似合い』といった女・・・・

言い出せない愛は海鳴りに似ている
遠くから絶え間なく寄せ 胸を強く揺さぶる ・・・・

というような歌詞です。
・・・流石にピアノとショパンは日本語には出来なかったようですが(笑)

一度だけ、生の演奏を聴いた事があります。うちの会社が提供していたラジオ番組のイベントでパーソナリティをやっていた柏原よしえの前座(なんと!)でゆうこ、初恋、踊り子などを歌って、ベンチャーズも弾いてくれました。とても温厚で暖かさが滲み出る話し方をされる方でした。。。

2010年6月22日 (火)

今日の音楽 6月22日 魅惑のワルツ

1906年6月22日は映画監督ビリー・ワイルダーの誕生日です。

ビリー・ワイルダーといえば、コメディタッチの映画を数々手がけた監督で、脚本家としても超一流でした。アカデミー賞は監督賞を2回(ノミネートは8回)脚本賞も2回受賞、カンヌでもグランプリを受賞しています。
主な代表作は「麗しのサブリナ」「サンセット大通り」「7年目の浮気」「アパートの鍵貸します」など。

魅惑のワルツは、ゲーリー・クーパーとオードリー・ヘップバーンが共演した1957年の作品「昼下がりの情事」のテーマ音楽で、原題はFascination。1932年に出版されたF.D.マルシッチの「ボヘミアのワルツ」という曲を映画に使ったもので、映画のためのオリジナル作品ではありませんが、非常に多くのアーティストが取り上げてスタンダードになりました。

ちなみにオードリー・ヘップバーンはチェロを学ぶ音楽学校の生徒。やせっぽちのオードリーが大きなチェロを抱えて歩く姿が、オードリーをより可憐に見せた・・とか。
ダルビッシュには、コントラバスを持つサエコさんが可憐に見えたんでしょうね・・・

で、この「魅惑のワルツ」。歌詞が入っていない演奏だけのものでは、やっぱりマントヴァーニ楽団のものが一番かな。
マントヴァーニの演奏です。

2010年6月21日 (月)

今日の音楽 6月21日 クリスマス組曲

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1908年6月21日はリムスキー=コルサコフの命日。リムスキー=コルサコフといえば、色彩豊かな管弦楽法で知られ、「シェエラザード」、「ロシアの復活祭」「熊蜂は飛ぶ」などの作曲や「禿山の一夜」「ホヴァンシチーナ」などの編曲や補遺などで知られていますが、オペラも結構たくさん作曲しています。そのオペラの中の曲を組曲にしたものも数多くあります。「雪娘」「金鶏」「サルタン皇帝物語」「ムラダ」など全て本人が編んだものです。

その中の「クリスマスイヴ」組曲を(季節はずれではありますが)聞いてみましょう。さぞや厳かな雰囲気で・・・と思うと、最初と最後だけ。あとはリムスキー=コルサコフらしいきらびやかな雰囲気の曲です。晩年の1895年に作曲されたオペラの中から6曲を選んだ曲です。
音源は・・・と言ってもさすがにいくつも聴いたわけでは無いので・・・私の持っているのはアンセルメ指揮のスイスロマンド管弦楽団のものです。
ゴロヴァノフの指揮で序曲です。(オケはわかりません)

2010年6月20日 (日)

今日の音楽 6月20日 パリの喜び

1819年6月20日はオッフェンバックの誕生日です。
オッフェンバックの名前は結構知られているのですが、曲は?というと「天国と地獄」の序曲と、未完で終わった「ホフマン物語」の舟歌ぐらいしか知らないですね。天国と地獄(地獄のオルフェ)は、モンテヴェルディやグルックなどがオペラ化しているギリシア神話の「オルフェオとエウリディーチェ」をパロディ化したもの(結末は全く異なりますが日本のイザナギとイザナミの神話に同じようなのがありますね)ですが、いまさら「天国と地獄」を聞いてみましょうという気も起きないので、ラヴェルの門下生であったロザンタールが、オッフェンバックの曲の数々をバレエに編曲した「パリの喜び」を聞いてみましょう。

勿論天国と地獄のメロディも出てきますし、オッフェンバックの20曲以上もあるオペラ、オペレッタの一端を知る事ができます。最後の第23曲はホフマンの舟歌です。録音は結構たくさん出てますね。プレヴィン、デュトワ、ショルティ・・・・
カラヤン指揮ベルリンフィルで、最後の部分、ホフマンの舟歌が出てくるところです。

2010年6月19日 (土)

今日の音楽 6月19日 エニグマ変奏曲

エルガーのエニグマ変奏曲がロンドンで初演されたのが1899年6月19日。(これも日本のwikiの記述は違っているようです。USAのwikiではon 19 June 1899.になってるし、他見ても6月と書いてあるので)。

このたった7小節の自作のテーマによる変奏曲は原題は「オリジナルの主題によるオーケストラのための変奏曲『エニグマ(謎)』」です。それをエニグマ変奏曲と呼ぶ事については、エルガーは了承していたようです。
この曲には2つの謎がある、とエルガー自身が言っています。ひとつは各変奏につけられたイニシャルや略称。各変奏は、その略称の人物の印象や特徴を曲に込めており、その人物は文字によるヒントの無い第13変奏(***と表示)以外は解決されています。
そして、もうひとつの謎が「すべての変奏の基盤となっている、もう1つの聞き取ることのできない主題が存在する」と語られている隠された主題で、現在も様々な解釈が出されていますが、決定的なものはありません。

第1変奏が、エルガーの愛妻キャロライン、最後の第14変奏はエルガー自身という構成も愛妻家だったエルガーらしくて、とても楽しい曲です。謎解きは別にしても、エルガーの中でもチェロ協奏曲と並ぶ名曲だと思います。30分ほどの曲です。

それ程色々なCDを聞いているわけではありませんが、バルビローリ指揮のフィルハーモニア管が愛聴盤です。

バーンスタイン指揮BBC交響楽団で、第14変奏 終曲です。

2010年6月18日 (金)

今日の音楽 6月18日 交響曲第45番(ベートーヴェン)

ベートーヴェンの交響曲第45番なんて無いぞ!と言われる方は常識人でございます。1から9までを足した数が45。従ってベートーヴェンの交響曲をごった煮にしたのが交響曲第45番。これを変曲(編曲では無くて変曲だそうです)したのが2002年6月18日に亡くなった山本直純氏でした。

正式には交響曲第45番「宿命」。きちんと4楽章形式になっていて、ベートーヴェンの全てのシンフォニーとレオノーレ、コリオラン、エグモントなどの序曲、エリーゼのために などをパロディ化したものです。これ、私は生で見ています。題名のない音楽会の収録だったと思います。山本直純氏は当時「オーケストラがやってきた」というクラシック音楽普及をめざす別番組を持っていましたが、題名のない音楽会にも時々登場していました。

運命の冒頭から始まり、C&W風のベト7や、途中で東京オリンピックのファンファーレに変わるレオノーレ第3番・・・30分程度ですが結構面白かったです。本場のホフナング音楽祭に比べると、かなり直接的なパロディではありましたが、その分楽しみ易い曲でした。最後は、指揮者(山本直純本人)がピストルで撃たれ、エロイカの葬送行進曲に乗って退場・・・戻ってきて直純本人が司会をしていたライバル番組「オーケストラがやってきた」のテーマ、シュトラウスの無窮動を演奏して終わり・・というものでした。

実は、これ、最近CDが出ています。録音はこの時のものではなくて初演時(笑)のものですが、メンコンのパロディヴァイオリン狂騒曲「迷混」、ピアノコンチェルトのパロディである、ピアノ狂騒曲「ヘンペラー」などとのカプリングです。
まあ、お耳休めに聞いてみてはいかがかな?

2010年6月17日 (木)

今日の音楽 6月17日 シバの女王のワルツ

グノーって言えば誰でも知っている作曲家なんですが、ではグノーの曲って知ってる?と聞かれると歌劇「ファウスト」とバッハの平均律クラヴィア曲集の1曲目にメロディ乗っけたアヴェ・マリアぐらいしか思い浮かばないという人が多いと思います。オペラも他に「ミレイユ」「ロミオとジュリエット」「サッフォー」など10曲以上書いているし交響曲だって2曲書いているんですけど・・・・1818年6月17日はグノーの誕生日。という事で、ファウストを取り上げるのはやめましょう。
取り上げるのは、歌劇「シバの女王」のワルツ。本当は「ファウスト」のワルツの方がダイナミックで好きなのですが「ファウスト」には触れない事にしたので・・・・(ファウストのワルツは、「ファウストのバレエ音楽」には入っていませんのでご注意を)
このマイナーな曲を知ったのもNHK-FMのクラシック音楽番組のエンディングテーマとして使われていた為です。ファウストのワルツと異なり、非常に可愛らしい曲です。こちらの方はバレエ音楽に入っています。だいたい、グノーのバレエ音楽はハープが大活躍するのですが(ファウストのバレエはハープ4本です。但しユニゾンなので1本でやっちゃいますけど)、この曲はそれ程でも無いかな。何故か単調なホルンの後打ちが耳に残る曲です(笑)
ボニング指揮ロンドン交響楽団の演奏です。

2010年6月16日 (水)

今日の音楽 6月16日 酒・女・歌

日本では「酒と泪と男と女」ですが、ウィーンでは泪の代わりに「歌」なんですね。J.シュトラウスの作品の中でとりわけ好きというわけでもありませんが。というか、シュトラウスの作品の中で何が一番好きですか?という質問ほど困る事はありません。なぜなら、その時の気分によって違う、そしてメロディと曲名が一致しない(笑)。

今日はウィリー・ボスコフスキーの生誕100年の日です。
昔はウィーンフィルのニューイヤーコンサートはFM放送で聞くものでした。放送が始まったのが1973年(しかも録画で1月中頃の放送)で毎年見てましたが、ニューイヤーコンサートはボスコフスキーが弾き振りをするのが当然と思っていました。1980年からしばらくは、マゼールが指揮してましたけど、それもヴァイオリンを片手に・・・という事で、ニューイヤーコンサートは弾き振りがルールだと思ってました。それを破ったのはカラヤンでしたっけ。

という事で、ボスコフスキー=ニューイヤーコンサートでヴァイオリンを踊りながら弾きながら指揮するオッサンというイメージですが、本当は元ウィーンフィルのコンマス&ウィーン弦楽四重奏団や八重奏団のリーダーというきちんとしたお仕事もやっていたんですね。

うちのオケでも合唱団との合同演奏会の前半で、シュトラウスをやった時は、前半のみ日弾き振りでやりました。勿論、ウィンナワルツ3拍子・・・じゃ無かったけど

え? 酒・女・歌は? なんか一番ウィーンっぽい曲名なので選ばせてもらっただけです(笑)、が、最後が華々しくてボスコフスキーに合ってると思いますよ。

ボスコフスキー指揮ウィンフィルです。

2010年6月15日 (火)

今日の音楽 6月15日 十字軍の兵士シーグル

1843年6月15日はグリーグの誕生日です。グリーグというと交響曲は殆ど書いていないし(書いたけど自分には向いてないと思ったらしく、それ以後は書かなかった)オーケストラの曲もピアノ協奏曲とペール・ギュントぐらいしか知られていないので、音楽史上では扱いが軽いような気がしますが、ピアノ曲の世界では北欧のショパンと言われています。全10巻66曲にも及ぶ「抒情小曲集」はグリーグの生涯をかけた仕事でした。

数少ないグリーグの管弦楽曲の中で、今日取り上げるのは組曲「十字軍のシーグル」です。元々は1872年に作曲された劇音楽でしたが、20年後の1892年に、その中から3曲を選んで組曲にしたものです。
第1曲目が「力比べ」という原曲では第2幕の前奏曲だった曲。クラリネットとファゴットによる素朴なメロディが次第に盛り上がって行く曲です。
第2曲は第1幕に使用されるボルグヒルの夢という間奏曲。
第3曲は第3幕への前奏曲として演奏される、忠誠行進曲です。単独でブラバンなんかでも演奏されるみたいですね。ファンファーレで始まる荘厳な行進曲。
いずれにしても、メロディの魅力に引っ張られている曲なので非常に聞き易い曲です。

おすすめは・・・って言ってもCDもたくさんは無いので、何でも良いです(笑)
グンゼンハウザー指揮チェコスロヴァキア国立コシツェ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で忠誠行進曲です。

2010年6月14日 (月)

今日の音楽 6月14日 オーボエ協奏曲(アルビノーニ)

1671年6月14日生まれの(6月8日という説もあるようです)アルビノーニの代表作は、「弦楽とオルガンのためのアダージョ」という事になっていますが、どうやら「アルビノーニのアダージョ」はアルビノーニとは無関係という説が強いようです。ジャゾットという20世紀イタリアの音楽学者が創作したというのが現在では定説になっているみたいですね。

なので、今日はオーボエ協奏曲にしましょう。アルビノーニは元来はオペラの作曲がメインだったようですが、今では殆どが消失してしまい、残されている曲の多くが協奏曲です。その中でも最も聴かれているのがオーボエのための協奏曲で、彼の協奏曲集の中にはオーボエや2本のオーボエ、ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲が多数あります。

その中で、ニ短調の作品9-2はオーボエの魅力が引き出されています。特に第1楽章はテンポは速めですが、哀愁を帯びたオーボエの音色が十分に楽しめます。

おすすめ盤は ホリガーとイ・ムジチ合奏団のものです。
You Tubeは、オーボエ独奏ステファン・シッリ、ニコル・マット指揮のシュトゥットゥガルト室内管弦楽団で、第1楽章です。

2010年6月13日 (日)

今日の音楽 6月13日 ペトルーシュカからの3楽章

ストラヴィンスキーのバレエ「ペトルーシュカ」が初演されたのが1911年6月13日、パリのシャトレ座です。初演は概ね成功でしたが、聴衆は時にグロテスクなこの曲に面食らうこともあった・・・と書かれています。
今聴くと非常に溌剌としていて旋律もわかり易くて、「春の祭典」に比べれば大人しい(笑)曲ですけどね。。

ストラヴィンスキー自身がアルトゥール・ルービンシュタインのためにピアノ独奏に編曲したのが「ペトルーシュカからの三楽章」。第1場の「ロシアの踊り」、第2場の「ペトルーシュカの部屋」、第4場の「謝肉祭の夕方」を編曲した「謝肉祭の日」の3つの楽章で出来ています。ルービンシュタインからの依頼は「過去のどの曲よりも難しいものを」という条件だったそうで、その通り超難曲になっているみたいです(ピアノ弾けないからわからん)

譜面も3段が基本で4段のになっている場所もあるとか・・・
そんな難曲にもかかわらず、結構録音はいっぱいありますね。ルービンシュタイン自身は曲の出来(演奏の出来?)に満足できなかったのでレパートリーにはしたが録音は残していません。

ベスト盤は、やっぱりポリーニでしょうかね。結構弾くので精一杯という曲なので、表現力云々というのは難しいのでしょうけどね
この曲、「のだめカンタービレ」で重要な役割を果たして知られるところとなりました。
のだめが参加したマラドーナピアノコンクールの最終本選の曲。高熱による練習不足で、会場へ向かう時に耳についてしまった「きょうの料理」のテーマが途中で入ってしまう・・・という妙な「ペトルーシュカ」でした。
エレーナ・クシュロノーヴァのピアノで冒頭部分です。

2010年6月12日 (土)

今日の音楽 6月12日 大いなる西部

私が小学校に上がる前ぐらい1950年代後半から60年代初めは西部劇の全盛期でした。映画だけでなくTVでも「ローハイド」「ララミー牧場」などが放映されていました。60年代に入るとアメリカ原住民(インデアン)への差別的表現が問題となって映画会社も制作を控えるようになり、次第に衰退していきました。

そんな西部劇映画の傑作のひとつが「大いなる西部」。グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンの2大スター競演でも話題になりましたが、それまでの拳銃で撃ちまくる娯楽作品としての西部劇と異なる、ドラマ重視の西部劇として高い評価をされた作品です。
その主人公東部から来た洗練された人間を演じたグレゴリー・ペックが亡くなったのが2003年6月12日。グレゴリー・ペックは日本では「ローマの休日」の記者役が最も知られていますが知的で正義感に溢れるキャラで愛された俳優でした。

この大いなる西部の音楽は、クラシックの作曲もしているジェローム・モロスが作曲したスケールの大きい音楽です。西部劇の音楽の中では、ヴィクター・ヤングの「遥かなる山の呼び声」(シェーン)とエルマー・バーンスタインの「荒野の七人」と、この「大いなる西部」が三大お気に入りの音楽です。特に大いなる西部は元気が出る音楽ですよ。

2010年6月11日 (金)

今日の音楽 6月11日 四つの最後の歌

1864年6月11日はリヒャルト・シュトラウスの誕生日。
19世紀半ばは、まだドイツが統一される前で神聖ローマ帝国が消滅し、プロイセンが統一ドイツを築く間の、小国に分裂していた時代のバイエルン王国で生まれました。
シュトラウスの音楽は、当時としては非常に保守的でモーツァルトやシューマン、メンデルスゾーンの系統をひく音楽で、ナチスへの協力云々(裁判では無罪)から活動を自粛していた晩年には「私の音楽はもう古臭く・・・」というような事を語っていたそうです。そういう意味でも、シュトラウスは正統的後期ロマン派最後の作曲家と言えるかもしれません。

個人的には、シュトラウスはあまり好みではありません。音符がいっぱいすぎて聴くのに疲れるのが最大の原因。あまり、BGM的に流して聴くには相応しくないような気がします。ただ、オケ弾きはシュトラウスが好きな人が多いですよね。「ティル」「ドンファン」「家庭交響曲」「2つのホルンコンチェルト」や「ばらの騎士」「サロメ」「影のない女」・・・それぞれ素晴らしい作品ではありますが・・やっぱり真剣にオーケストラの前或いは オーディオ装置の前に鎮座して聴かなければならない、という雰囲気がしちゃいます。

その中で、最晩年に作曲された四つの最後の歌をお奨めします。「四つの最後の歌」はシュトラウス自身がつけたタイトルでは無くシュトラウスの死の直前に作曲された4つの歌曲に誰かがタイトルをつけたものだそうで、本来は5曲目の構想もあったという説があります。この曲はいずれも死を歌ったもので「春」「眠りにつくとき」「9月」はヘルマン・ヘッセの詩です。そういう題材なので、決して元気な曲ではなく、はかなさが表現されなければなりませんが、美しい曲であることに変わりはありません。伴奏がオーケストラのためオーケストラと一体となった色彩が重要だそうです。

おすすめは、シュワルツコップとセル/ベルリン放送響のものですかね。
フレミングのソプラノ、アバドの指揮で、ルツェルンでのライヴです。

2010年6月10日 (木)

今日の音楽 6月10日 トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死

1865年6月10日ミュンヘンの宮廷劇場で、オペラ史上の大きな転換点となる作品が初演されました。ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」、完成から6年後の事でした。

ワーグナーとその音楽については、ワグネリアンと言うところまで行かなくとも、非常に詳しく、こだわりを持っている方が少なからずいらっしゃいますので、ワーグナーだからという特別な思い入れも無い私ごときは語るのはやめておきますが、調性の曖昧なトリスタン和音によってはじめられる前奏曲は、この後の多くの作曲家に影響を与えました。ドビュッシー、ラロ、フャリャ、ベルク・・・・

という事で、やっぱり「前奏曲と愛の死」ですね。特に最後にイゾルデが歌う(勿論、オケのみの演奏では歌はありませんけど)愛の死は、ワーグナーの中で最も感動的な曲のひとつだと思ってます。

名盤は・・・・わかりません。私が最初に聴いたのはクレンペラーのフィルハーモニア管のレコード。まだ、トリスタンを知らなくて「タンホイザー序曲」目当てで買ったワーグナー管弦楽全集の第1巻。リエンチとかオランダ人、ローエングリンなどが入っている2枚組でトリスタンは最後に入ってました。なにしろ、ローエングリンの第3幕への前奏曲の次に入っていたので、ボリューム絞った為に前奏曲の頭の部分が聴こえずいつ始まったのかもわからなかった。で、最後の波がうねるような音楽で、ただただ感動しました。。。
歌つきで、ワーグナー歌いのスペシャリストのひとりヴァルトラウト・マイアーのメゾ・ソプラノ、(指揮もオケも不明)で、イゾルデの愛の死です。

2010年6月 9日 (水)

今日の音楽 6月9日 ヘリオス序曲

今日は、マーラーの交響曲第3番の初演日です。(日本のWIKI見たら日づけが違っていた・・USAのWIKIは合ってました。日本のWIKIは非常に間違いが多いです。特に日づけはかなりいい加減です。まあ、素人が記述しているので仕方がないですが、それにしても一昨日扱ったブリテンのピーター・グライムズの初演日も1ヶ月間違っている・・・イギリスのサイトまで行って確認しちゃいました。みなさんもWIKIの情報には気をつけた方が良いですよ)

ですが、ニールセンの誕生日なので(1865年6月9日)ニールセンの曲にします。と言っても、昔、今日は何の日か何かで交響曲を扱ったので、今日は小品。演奏会用序曲「ヘリオス」にしましょう。1903年に作曲された曲でギリシャ旅行に行った時にエーゲ海の日の出に感激して書かれた曲で日の出から日没までを幻想的に描いた作品です。特に最初の日の出のシーンはチェロとコントラバスのG、Cの持続音が先行して暗闇を表現し、やがてホルンによって日の出が表現され、最後は弦によって次第に日が沈んで行き、ヴィオラ以下だけが残り、チェロの開放のCの持続音で再び闇が訪れるという巧妙なオーケストレーションを行っています。

曲を聴けば、どう聴いても「エーゲ海」じゃなくて「北欧」なんですけどね
。ちなみにヘリオスはギリシア神話の「太陽神」です。
トゥクセン指揮デンマーク国立放送交響楽団の演奏です。

2010年6月 8日 (火)

今日の音楽 6月8日 子供の情景

6月8日はシューマンの誕生日。

何にしようか考えたのですが、シンフォニーではありふれているし、ピアノ協奏曲にすると、某ウルトラセブンフリークが煩そうだし・・・・

という事で、ピアノ曲の子供の情景にします。
子供の情景は13曲からなる組曲ですが、子供好きのシューマンが書いた「子供のためのアルバム」のように子供たちがピアノの練習をするための曲では無くて、子供の心を描写した大人のための曲です。特に第7曲のトロイメライが有名ですが、ここでは第1曲の「見知らぬ国と人々について」を岩崎宏美が歌った「見知らぬ国から」はいかがでしょうか。
岩崎宏美が出産の記念に、親子をテーマとしてクラシックのメロディに歌詞をつけて歌ったアルバム「誕生」に収められていた曲です。「見知らぬ国から」は、歌詞も優しい歌詞がついていて、なめらかな曲調と相まってとても可愛らしい曲です。

昨年、この曲を含む「誕生、家族、きょうだい」というCD3枚組のボックスで再発されました。

2010年6月 7日 (月)

今日の音楽 6月7日  4つの海の間奏曲

1945年6月7日はブリテンの代表的オペラ「ピーター・グライムス」が初演された日です。

ピーター・グライムスはイングランドの海辺の寒村の漁師ピーターの徒弟や憧れの女性に対する歪んだ愛情を描く悲劇作品です。
オペラ全体を聴くのは若干重たいので、演奏会でも時々取り上げられる「4つの海の間奏曲」にしましょう。
この曲は、オペラの中の海に関する4曲を声楽部分を除いて編集されたもので、夜明け、日曜の朝、月光、嵐の4曲からなります。4曲全部で15分程度の曲なので是非どうぞ。

それぞれ特徴のある曲なのですが、特に3曲めがイギリスっぽい音楽かな。ディリアスの風味も感じられます。海の嵐を扱った曲はいっぱいありますが、この4曲目の嵐はマーラーっぽい旋律が出てきたりでドイツ音楽っぽいですかね。

もちろん、ブリテン自身の録音も残されていますので、とりあえずはそれを聴いてみるのが良いでしょう。
バーンスタイン指揮ボストン交響楽団で第3曲「月光」です。

2010年6月 6日 (日)

今日の音楽 6月6日 交響曲第5番(マーラー)

「ベニスに死す」を著したトーマス・マンの誕生日は1875年6月6日。「ベニスに死す」は友人だったマーラーの死に触発されて書いた作品ですが、著書の中では主人公のアッシェンバッハは作家として描かれています。

これを映画化したヴィスコンティは、アッシェンバッハを元々のモデルとされていたマーラーに再転換し、音楽家アッシェンバッハとして描いています。美少年タージオを求めて彷徨うアッシェンバッハがやがてコレラに感染し、自ら化粧を施し、海岸で遊ぶタージオの姿を見ながら死を迎えるラストシーンは映画史に残るシーンのひとつでしょう。
この「ベニスに死す」の音楽に使われているのがマーラーの3番と5番。特に最期のシーンで流れるマーラーの5番の第4楽章アダージェットは、ハープと弦だけというマーラーとしては最小の編成の楽章ながら人気が高いですね。

という事で、5番自体はマーラーの2番から続いた声楽を含める交響曲に一旦終止符を打った純器楽作品の最初の曲であり、彼にとって20世紀の幕開けになるシンフォニー(1901年作曲)という、転換期にあたる作品です。弦楽器奏者であれば一度は演奏してみたい曲ですが・・・他の楽章を考えると二の足を踏みます(笑)

おすすめは、ゆったりしたテンポで歌いまくるバーンスタイン-ウィーンフィル盤あたりはいかがでしょうか。(他の楽章は知りませんが)
バーンスタイン指揮ウィーン・フィルでアダージェットの前半部分です。

2010年6月 5日 (土)

今日の音楽 6月5日 クラリネット五重奏曲(ウェーバー)

ウェーバーは1826年6月5日の没しています。代表曲といえば、後々のワーグナーなどに多大な影響を与えた「魔弾の射手」とか、「オベロン」「オイリアンテ」などの一連のオペラでしょうけど、もうひとつ忘れていけないのがクラリネットの為の数々の作品でしょう。小協奏曲と、2つの協奏曲、ピアノとの二重奏曲などがありますが、これだけのクラリネットの曲が生まれたのはベールマンという名手がいたからです。彼は非常に広い音域を安定した音域で吹ける奏者だったため、これらの曲も広い音域を持っています。

そんな中で、選んだのはクラリネット五重奏曲。クラリネット五重奏曲というとモーツァルトとブラームスの作品が代表的ですが、ウェーバーの曲もスケールが大きく叙情的な作品です。小協奏曲などは、まだモーツァルトなどの古典ぽさがかなり強く残っていますが、この曲は一皮むけた感じ。第2楽章の和音など、古典派音楽には無い展開ですね。
ライスターのクラリネットで、ベルリンフィルのメンバーとのアンサンブル。第4楽章です。

2010年6月 4日 (金)

今日の音楽 6月4日 交響曲第5番(ショスタコーヴィチ)

タコの足は8本だが・・・というくだらん冗談はさて置いて・・・
生涯の演奏回数で、トップがチャイ5、2番目がタコ5という指揮者、ムラヴィンスキーは1903年6月4日の生まれでした。
ムラヴィンスキーといえば、西のクレンペラーと並び称される厳格な指揮者として知られていて、本番前に通しリハーサルを10回ぐらいやるのは当たり前という指揮者だったそうです。
通常の人間には考えられないようなエピソードもあります。数回のリハーサルを重ね、この日はリハーサルの出来が非常に良かったのですが、こので普通であれば、本番への期待感が膨らみ・・・と、なるはずが、ムラヴィンスキーは突如本番をキャンセル。理由は、本番がこのリハーサル以上になるはずがないから・・・

こういう厳しい指揮者でしたが、1938年から死ぬまで50年もレニングラード・フィルの常任指揮者でいられたのは、厳しいけれど楽員の尊敬を得ていた、音楽への探究心に周囲が心を動かされた、人間的な魅力に溢れていたなどなど。

そんな中からムラヴィンスキーが初演をしたショスタコの5番はいかがでしょうか。比較的速めのメリハリの利いたテンポと緊張感が心地よいです。
先日のルスランの時も書きましたが、ムラヴィンスキーは後期はあまりスタジオ録音が無くて、ライヴ録音が多いのが特徴。ライヴ録音でこれだけ素晴らしい出来なのですから、やっぱりスゴイ。
先日のウチのオケの本番録音を聴いたのですが、1回目は「おお、まあまあの出来(除く イタリア奇想曲)と思ったのですが、2回目「?」、3回目に聴いた時には「ボロボロ」に聴こえました。何回聴いてもスゴイ演奏をするのって大変な事なんですね。1回だけの演奏会の演奏では誤魔化せても、録音物では誤魔化せない・・・アマオケの限界ですかね。

ムラヴィンスキーのタコ5は数々の演奏がありますが、1973年に来日した際の文化会館でのライヴはかなりの傑作ですよ。
第4楽章を、ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルの演奏で(多分放送用か何かの録画です)

2010年6月 3日 (木)

今日の音楽 6月3日 ウィーン気質

1899年6月3日が、ヨハン・シュトラウスⅡ世の命日です。シュトラウスの音楽は、それまでのクラシック音楽の本流とは少し違う次元にある音楽でした。その証拠に音楽イデオロギーに異なる複数の作曲家に愛されていました。シュトラウスファンは、チャイコフスキー、マーラーなども彼の音楽のファンだったようですが、何と言っても、ワーグナー、リストとブラームスが3人とも大ファンだったようですね。

数ある名曲の中から、この一曲を選ぶのは超難しいです。その時の気分によっても聴きたい曲は違って来るしね。

という事で、ヨハン・シュトラウスの集大成ともいえるオペレッタ「ウィーン気質」にしましょうか。ウィーン気質は先に完成してたワルツを中心にオムニバス形式で今まで作曲した曲を散りばめたオペレッタです。(と言っても、きちんとストーリーはありますよ)
ウィーン気質以外で使われている曲は、「電光石火」、「シトロンの花咲く頃」、「浮気心」、「朝の新聞」、「百発百中」、「酒・女・歌」「観光列車」「美しく青きドナウ」「我が家」などなど。。。
残念ながら存命中に完成できなかったものを友人の指揮者アドルフ・ミュラーが完成させたそうです。
タイトル曲の「ウィーン気質」。カレーラスとロストフロム。ウィーンのガラコンサートです。

2010年6月 2日 (水)

今日の音楽 6月2日 ハネケンのフックト・オン

今日は羽田健太郎の命日。59歳の死は本当に惜しかったなあ。

ハネケンは、桐朋のピアノ科を卒業しましたが、クラシックのピアニストで食べて行く難しさから、父親に死別した1歳以降自分を育ててくれた母親に一刻も早く恩返しがしたいという思いで軽音楽の道を選んだわけです。スタジオミュージシャンとして非常に高いレベルであったために重宝され、当時のサラリーマンの月給分を2日で稼げるほどになっていました。

その後、クラシックの演奏会にもしばしば登場するようになり、ポップスの世界と並行してクラシックをより親しみ易くといった試みをしていったわけです。
アニメ、TV番組、映画のアレンジや演奏を多く手がけていますが、彼のCDにフックト・オンシリーズがあります。フックト・オンといえば、その昔のディスコブームの時にクラシック音楽をビートに乗っけて繋げるというのが流行しましたが、ハネケンのそれは、ディスコ狙いではなくて、クラシック音楽を楽しく、より多くの人に聴いてもらいたいという事で生まれたわけです。1作目がフックト・オン・モーツァルト、つづいてフックト・オン・チャイコフスキー、そしてフックト・オン・スペイン。モーツァルトやチャイコフスキーは過去のフックト・オン・ブームの時にいろいろな人が取り上げましたが、フックト・オン・スペインは先例がありません。ビゼーのカルメンを柱に、スペイン奇想曲やスペイン交響曲などスペインの名がつく音楽や、ファリャ、ロドリーゴなどのスペイン作曲家の曲、さらに自作曲も取り上げたメドレーです。

2010年6月 1日 (火)

今日の音楽 6月1日 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲

ミヒャエル・イヴァノヴィッチ・グリンカは1804年6月1日に生まれ、ロシア民族音楽の先駆者的存在になった作曲家です。歌劇「皇帝に捧げし命」(ソビエト時代は皇帝に命を捧げるなんてとんでもないですから、「イワン=スサーニン」という主人公の農民の名前を題名にしていました)に続いて作曲されたのが歌劇「ルスランとリュドミラ」。原作はプーシキンの詩だそうですが、ストーリーはよくあるパターン。キエフ大公の娘リュドミラと騎士ルスランの婚礼の場に現れた魔術師がリュドミラをさらって行き、大公はルスランを含む3人の騎士に、娘を取り戻した者に娘を与える約束をする。結局はルスランが幾多の難を乗り越えてリュドミラを救い、めでたしめでたし・・・

まあ、こういう良くあるストーリーなのでオペラ自体はあまり上演される機会が無いのかもしれませんが、序曲は結構人気ありますね。
この「ルスランとリュドミラ」序曲、多分様々な曲の名盤を上げろと言われた場合、最も満票に近い票数を獲得する名演奏がある曲かもしれません。多くの人がご存知のムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの盤。1965年のモスクワでのライヴ録音のものです。

この世界最速と言われたテンポも凄いですが、そのテンポの中で弦が殆ど乱れない、抒情性も失っていない、しかもライヴ録音。録音の古さなど吹き飛ばす圧倒的な音楽です。鬼のムラヴィンスキーと社会主義のソ連だからこそ作りえたサウンドかもしれませんが、数年前に演奏した時にはこれよりかなりゆったりしたテンポでも乱れちゃいましたね。コントラバスもあるんですよ。このユニゾン・・・

ゲルギエフなんかも良い演奏を録音していますが、やっぱりムラヴィンスキーの迫力は、録音の古さをぶっ飛ばす力がありますね。
ムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルです。

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