今日の音楽 6月4日 交響曲第5番(ショスタコーヴィチ)
生涯の演奏回数で、トップがチャイ5、2番目がタコ5という指揮者、ムラヴィンスキーは1903年6月4日の生まれでした。
ムラヴィンスキーといえば、西のクレンペラーと並び称される厳格な指揮者として知られていて、本番前に通しリハーサルを10回ぐらいやるのは当たり前という指揮者だったそうです。
通常の人間には考えられないようなエピソードもあります。数回のリハーサルを重ね、この日はリハーサルの出来が非常に良かったのですが、こので普通であれば、本番への期待感が膨らみ・・・と、なるはずが、ムラヴィンスキーは突如本番をキャンセル。理由は、本番がこのリハーサル以上になるはずがないから・・・
こういう厳しい指揮者でしたが、1938年から死ぬまで50年もレニングラード・フィルの常任指揮者でいられたのは、厳しいけれど楽員の尊敬を得ていた、音楽への探究心に周囲が心を動かされた、人間的な魅力に溢れていたなどなど。
そんな中からムラヴィンスキーが初演をしたショスタコの5番はいかがでしょうか。比較的速めのメリハリの利いたテンポと緊張感が心地よいです。
先日のルスランの時も書きましたが、ムラヴィンスキーは後期はあまりスタジオ録音が無くて、ライヴ録音が多いのが特徴。ライヴ録音でこれだけ素晴らしい出来なのですから、やっぱりスゴイ。
先日のウチのオケの本番録音を聴いたのですが、1回目は「おお、まあまあの出来(除く イタリア奇想曲)と思ったのですが、2回目「?」、3回目に聴いた時には「ボロボロ」に聴こえました。何回聴いてもスゴイ演奏をするのって大変な事なんですね。1回だけの演奏会の演奏では誤魔化せても、録音物では誤魔化せない・・・アマオケの限界ですかね。
ムラヴィンスキーのタコ5は数々の演奏がありますが、1973年に来日した際の文化会館でのライヴはかなりの傑作ですよ。
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滔々と流れる大河のような、とはよく用いられる比喩だが、この演奏を評する時ほど相応しいことはない。
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