今日の音楽 6月29日 花
瀧廉太郎はわずか23歳で結核で亡くなった夭折の天才作曲家と言われています。
作品自体は、遺作となった「憾」(うらみ・・・若くして死ななければならない無念さを込めた作品)というピアノ小品以外は、歌曲しか残されていません。代表作である「荒城の月」「箱根八里」「花」の他に、幼稚園唱歌として「鳩ぽっぽ」「雪やこんこ」「お正月」「鯉のぼり」などを作曲しています。
「花」は組曲「四季」という4曲からなる歌曲集の「春」の部分ですが、他の3曲は殆ど歌われなくなってあまり知られていません。「春のうららの隅田川・・・」で始まるこの曲は武島羽衣の作詞ですが、個人的には3番の詩が好きです。「錦おりなす 長堤に 暮るれば昇る朧月 げに一刻も千金の眺めを何にたとうべき」・・・光景が目に浮かぶ歌詞です。
この曲は、ウチのオケがベルギーに行った時に現地の合唱団と共演した曲のひとつでした。3コーラスの曲ですが、各コーラスの詩に従って、ほんの少しずつメロディが変えてあるのもステキです。
瀧廉太郎は、ライプツィヒ音楽院に留学し、これから本格的な西洋音楽を学ぶという時に肺結核を発病し、1年で帰国。その後帰らぬ人となったわけです。もし、彼が早逝しなければ日本人による本格的な後期ロマン派か12音音楽の作品が聴けたかもしれませんね。
« 今日の音楽 6月28日 ヴァイオリン協奏曲(ブラームス) | トップページ | 今日の音楽 6月30日 タラのテーマ »
« 今日の音楽 6月28日 ヴァイオリン協奏曲(ブラームス) | トップページ | 今日の音楽 6月30日 タラのテーマ »
コメント