今日の音楽 5月29日 春の祭典
指揮のピエール・モントゥーは度々指揮を止めて、観客に静粛を訴えましたが喧噪は止まず、新聞には「春の虐殺」と書かれるほどの大騒ぎになりました。
「火の鳥」「ペトルーシュカ」で成功をおさめたストラヴィンスキーの代表作のひとつ「春の祭典」はこのように散々な船出だったようです。
音楽自体も不協和音、複雑で野卑なリズムに支配されていたのですが、それにも増してバレエ自体が今まで見たことの無いような振り付けだったという事も、この騒ぎを増長させた原因のようでした。現に、翌年行われた演奏会形式の演奏では高い評価を確立しましたから。。。
私は勿論演奏した事が無いですが、こういう曲はアマチュアには難しいですね。変拍子もそうですが、だいたい不協和音を聞いて正しい不協和音(?)として理解できるのかどうか。転調の繰り返しで周りの音との和声が確認できるのか・・・自身ないな。
ちなみに、ストラヴィンスキーはブルックナー、メシアンと並ぶ改訂好きで有名ですが、この曲もリハーサルをしながら改訂していったという逸話があるほどなのですが・・・改訂の理由が、ストラヴィンスキー自身が変拍子を指揮できなかったから・・という説もあるようです(笑)
ごくオーソドックスなものとしては、ストラヴィンスキーの研究でも名高いブーレーズのクリーヴランド管弦楽団の録音。かなりドラマチックに演奏されているのが1947年改訂版を使用したゲルギエフのキーロフ歌劇場盤。変わったところではファジル・サイによるピアノ独奏盤もディテールがわかりやすく、なおかつ劇的な演奏で面白いです。
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