今日の音楽 4月8日 道行のテーマ(八つ墓村)
砂の器で一躍売れる監督になった野村芳太郎が、次に制作した(本当は間につまらない映画が1本ある)のが、東宝が市川崑の「犬神家の一族」で当てた横溝正史作品。松竹は、横溝作品の中でも最大のスケールの「八つ墓村」を取り上げました。
映画自体は、山崎努が頭に蝋燭をつけた鉢巻姿で走り抜ける異様さと、「祟りじゃ~」の告知の効果もあって興行的には成功しましたが、原作とは全く異なる世界であり、評価はかなり割れました。もっとも、砂の器も原作とは、かなり違ってましたけどね。
この「八つ墓村」の音楽を書いたのが芥川也寸志氏。砂の器も音楽を担当したのは芥川でしたが「宿命」は違う作曲家の作曲です。
特に、この映画の後半、小川真由美扮する美也子と、萩原健一の辰弥が洞窟(鍾乳洞)の奥へ奥へ入って行き、愛し合うシーンで流れていた「道行のテーマ」は、数多く映画音楽を書かれた芥川の傑作のひとつだと思います。
映画自体は、やたらに祟りだとか「おどろおどろしさ」を前面に出したオカルトっぽい内容ですが、この後半のシーンだけでも見る価値はあるかもね。鍾乳洞の神秘な美しさと、「道行のテーマ」。最高でっせ。
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