シューマンの「春」の第2楽章はよく聞いてみると第1楽章のメロディを引き摺っている事に気がつく。この楽章を聴いているとm春真っ盛りのうららかな縁側でウトウトっていう感じがするのはオレだけ? 練習の時も時々眠りそうになった。
ただこの曲、緩徐楽章といっても結構黒玉が多い。第2部以降は短い周期でp と fを繰り返す。こういうゆったりした楽章の強い音の処理というのはそのオーケストラの姿勢がわかる。綺麗でもメリハリが無いとダメ。力強くても音が汚いのはもっとダメ。特に、滅茶苦茶クレッシェンドやデクレッシェンドが多いのでそれを表現しようとするあまり音の質が後回しというのでは、第2楽章の価値は無いからね。
この楽章、結構チェロが重要なメロディを弾く。元々10本の予定だったのだが、諸事情によって8本になり音量・音の厚みではちょっと力不足。記譜上はpだがメロディだから大きめに、と言われたってfの時の弾き方とは違う。音の厚み不足を歌い方で補えるかな?
最後は弦と木管のかけあいで静かに静かに・・・・とは言っても、休み無く第3楽章に入って行く。
第3楽章は2つのトリオを持つスケルツォである。
スケルツォは最初はニ短調で弦楽器だけで始まる。それに呼応して全楽器がTuttiで演奏される。それが2回繰り返されると、ヘ長調になってスケルツォ2つ目のメロディが流れる。再びニ短調になって冒頭のメロディに戻り、これも繰り返される。
1つ目のトリオは4分の2拍子である。と言っても記譜上は4分の2拍子だがMolto piu vivace 二分音符=108というスピードで、実質的には2分の1拍子の軽快なトリオである。このトリオの後半部分にはチェロ・バスの軽快だがどことなくユーモアがあるメロディがある(楽譜参照)。
再度スケルツォに戻り、今度は繰り返し無しで演奏されると、2つ目のトリオになる。
ここでは変ロ長調に転調されてチェロ・バスからスタートするが、トリオには珍しくあまりメロディと意識できないようなメロディである。このトリオは軽快というよりは重々しい雰囲気を持ち、最後はTuttiで盛り上がってスケルツォに戻る。
スケルツォの2つ目のメロディに入ると途中でそのメロディが中断され、1つ目のトリオ同様2拍子になる。ここではテンポは速くないので、音型は1つ目のトリオと同じなのだが、同じには聴こえない。弦と管が半拍ずつずれて演奏して、それが合流したところで終わりとなる。