パイオニア交響楽団第19回定期演奏会のご案内 11
シューマンの交響曲第1番の第4楽章は6小節の短い序奏で始まる。この序奏のメロディが重要なモティーフとしてこの楽章で随所に登場してくる。第1主題はヴァイオリンによる細かいメロディで、今回の演奏では最初はゆっくりスタートし徐々にテンポを上げていくはずである。
コントラバスにとってはこの伴奏形の中に最初の難関がある。ヴィオラ、チェロとユニゾンなのだが、ヴィオラ・チェロはオクターヴを隣の弦で演奏できる。コントラバスは弦をひとつ跨がなければならない。上のB♭は一番細いG線、下のB♭は三番目のA線で取るのでまともには音が出ないのである。
第2主題は、管楽器によって演奏される細かいメロディだが、ここで弦を中心に最初のモチーフがメロディをかき消すように出てくる。軽快な管のメロディと重厚な弦のモチーフが対照的である。
提示部が終ると、展開部では第1楽章同様転調の連続になる。ここでも最初のモチーフが使われチェロの刻みとコントラバスのスラーによるメロディで連続転調が奏でられる。やがてクライマックスに達すると、ホルンによるファンファーレから始まり、フルートのカデンツァがあって再現部に入る。
コーダには、また3オクターヴ跳躍がある。ここはコーダに入ってテンポが上がっているので超大変。演奏しているのを見るだけで気の毒に思う(はず)であろう。そのまま休む間もなく怒涛のようにエンディングまで持っていく。まあ元気が出る事請け合い・・・のはず。
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