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2009年3月31日 (火)

パイオニア交響楽団第19回定期演奏会のご案内 4

モーツァルトの交響曲第39番の第1楽章は、モーツァルトにしては非常に長い序奏をもつソナタ形式です。モーツァルトのシンフォニーで緩やかなテンポの序奏がついているのは36番、38番と39番の3曲だけ。36番は比較的短く38番は長くミステリアスな序奏ですが、この39番の序奏は冒頭から全楽器のTuttiで堂々と演奏されます。そういえば、今回の演奏会は3曲とも冒頭からトランペットが鳴り響く曲になりました。イタリア奇想曲とシューマンの春は、勿論トランペットが裸でファンファーレを鳴らしますし、39番もTuttiですが全楽器でEs-durの主和音を鳴らすわけですからオーケストレーションの原理からトランペットが大きく鳴り響くように聞こえます。

ところで、モーツァルトの譜面にはクレッシェンドとかディミヌエンドは殆ど表記されていません。譜面を見るとpからいきなりfになったり、その逆だったりという音楽になっています。これについては、譜面に書いてある事を忠実に再現しなければならない、という主義の方もいれば、譜面に書かれていない作曲家の意図を汲み取ってcresc. や dim.を入れるのが正しい、という人もいます。勿論、作曲家モーツァルト自身にはもう尋ねる事はできませんので、どの意見が正しいのかは永遠の謎ですが、黒岩先生のモーツァルトは聴く側に立って、どう演奏すれば心地よいか、心を揺らす事ができるか、などという観点でcresc. dim.を指示されます。
4_2 例えば、序奏の第1小節目Es-durの和音のTuttiのあとの2小節目の2拍目から木管楽器が弱音になって、経過のリズムを演奏するのですが、弦楽器は2小節目の頭は譜面通りだと強いままの2分音符。このまま演奏すれば勿論木管楽器の弱音は全く聴こえません。従って、弦楽器はこの2分音符はdim.するわけです。また、3拍目からヴァイオリンが下行音階で次の小節のTuttiへの繋ぎを行いますが、これも譜面通りだと静かなヴァイオリンの下降音階から、いきなりfでtuttiになって、結構びっくりします。例えば、この繋ぎが上行音階だったら人間の耳には若干cresc.して聴こえるのですが下行音階なのでdim.気味に聴こえるから、繋ぎの音形としてはちょっとびっくりかもしれません。従って、ここも下行しながらヴァイオリンはcresc.をするという事になっています。勿論16小節目あたりにエコー効果のような場所では、いきなり音量を落としますけど。

序奏だけで長くなってしまいましたが、序奏部分だけではなくて主部に入っても、更に他の楽章についても譜面には書かれていないダイナミクスの変化は今回の演奏ではかなり多いと思って頂いて結構だと思います。

2009年3月21日 (土)

パイオニア交響楽団第19回定期演奏会のご案内 3

イタリア奇想曲の後は、ぐっと編成を小さくしてモーツァルトの交響曲第39番です。
この曲は、今回の演奏会では裏メインと言っても良い曲。ウチのオケでは毎回定期演奏会毎に持ち回りで「演奏会実行委員長」なる人が任命されて、委員長を中心に選曲から指揮者・ソリスト等の人選、演奏会場選びが行われるのですが、選曲は余程の事が無い限り、最低1曲は委員長の希望が優先されます。今回は、実行委員長の希望はメインのシューマンでは無くて、このモーツァルトの39番シンフォニーでした。

私自身も 35番以降のモーツァルト後期交響曲では、この39番が最後に残された曲になります。モーツァルトの後期交響曲は一応2管編成ながら、少しずつ楽器が欠けている、編成が小さくて管楽器のローテーションが稼げない、時間が短くてメインの曲にならない・・・のに難易度が高いので、アマオケではそうそう取り上げられないのが事実。6曲全て制覇できるのは幸運です。と言ったって、制覇というにはおこがましいかな。どの曲も非常に難しいです。

元々長調の曲が殆どのモーツァルトの交響曲(短調は2曲だけ)の中でも、最も明るく優美と言われるのが、この39番の交響曲。有名な40番とジュピターと合わせて3大交響曲と言われていますが『大』の文字が相応しくない美しい曲です。最もこの優美さがどこから来ているのかと言うと、オーボエが無いという非常に珍しい楽器編成だから、などと言うとオーボエ吹きに怒られそうですが・・・

前述したとおり、この曲は2管編成といっても、オーボエが無しでフルートも1本だけ。トランペットも第2・3楽章は登場しません。従って、管楽器の主役はクラリネットとホルン。木管・金管の中で最も甘い響きを奏でる2つの楽器が主役なので、そこから優美さを醸し出しているのかもしれません。

とは言っても、実は曲自体はゆったりした曲ではありません。チェロと殆どユニゾンになるコントラバスにとっては超絶技巧の連続。そんな技術的な難しさをおくびにも出さず優美に低音を奏でて下支えをしてこそ、この曲におけるコントラバスの値打ちがあるというものです。本番に向けて、汗かき、必死の形相を外の出さずしっかりと弾けるように、これから仕上げです。

2009年3月17日 (火)

パイオニア交響楽団第19回定期演奏会のご案内 2

オープニングの曲は、チャイコフスキーのイタリア奇想曲。

冬が長く、寒さが厳しい地域に住むドイツ人とかロシア人にとってイタリアという国は太陽の国だったようでイタリアに静養とか療養で出かけてその印象を音楽にしている作曲家が少なくない。メンデルスゾーンは交響曲第4番をイタリア旅行中に書き始め、ブラームスはヴァイオリン協奏曲などの名曲をいくつかイタリア滞在中に書いている。このイタリア奇想曲は、チャイコフスキーが不幸な結婚をして精神的に参ってしまい海外を放浪するが、長期滞在したイタリアで体験した陽気さや暖かさに癒され、イタリア民謡なども交え作曲されたのが「イタリア奇想曲」である。

イタリア奇想曲は5つの部分と5つの旋律から構成されています。
第1部 8分の6拍子 ファンファーレ(イタリア騎兵隊の兵舎から聞こえてきたラッパの音が元ネタ)、重厚な第1の旋律が奏でられます。何とこの間、コントラバスは71小節(約3分)お休み。出だしからいきなり長いお休みというのは実はあまり嬉しくない。金管楽器などでは良くある事ですが、楽器が冷えて音程が狂う・・・はずが無いので、そういう理由では無くて、どうせ休むなら途中で疲れた頃に休みたい(我がまま)。登場後しばらくすると伸びやかな第2の旋律(イタリア民謡 美しい娘さんに由来)が始まる。勿論コントラバスは頭打ちばかりだけど、と思っていると第2の旋律が再現される所では超絶技巧のスケール(テンポが速くて指がまわらないだけだが)。それが終わって第1の旋律の断片が現れ、第2部に入る。

第2部 4分の4拍子 飛び跳ねる馬のようなリズムに乗って(これはヴィオラ以下の中低弦楽器のジャンプボウイングで軽快に?演奏されるはず)アメリカっぽいメロディ、それを引き取って弦楽器による第4の旋律である明るいメロディが続きます。第1の旋律が戻ってきてヴィオラによって次の旋律への経過句がスピードを上げながら演奏されて第3部に入ります。

第3部 8分の6拍子 タランテラのリズムにのって第5の旋律が情熱的に演奏されます。タランテラはナポリの舞曲です。ここは鳴り物もたくさん登場し、この曲の最高潮を作り上げます。

第4部 4分の3拍子 第1部の第2の旋律の再現ですが、やっぱり2回目だし、フィナーレも近いので盛り上げまっせ!

第5部 8分の6拍子 またタランテラです。第3部と同じPrestoという速さでスタートします。それがPiu Prestoになり、Prestissimo(速度記号では最速)になり怒涛の勢いで終っちゃいます。

とにかく、技巧的に云々というより、とっても忙しく情熱的な曲です。最後は熱狂の中で終るので演奏者はその「熱狂」に取り付かれて自分を失わないように「熱狂」を演出しなければなりません。勿論冷めた気持ちでは盛り上がれないですが、熱狂の中に理性を失わず弾く事が大事な曲なんです。

2009年3月16日 (月)

パイオニア交響楽団第19回定期演奏会のご案内 1

このブログもしばらくの間打ち捨てられてしまっていたのですが、そろそろ演奏会も近づいてきて、演奏会ネタを書かないといけないと思い、久々の更新です。

暫く書き込めなかった原因は、年末の第九のあたりから腰を痛め、MRI検査で「軽度の椎間板ヘルニアと脊椎管狭窄症」と診断され毎日のように帰りに医者に寄ってリハビリをしていた事、不況のあおりで仕事の環境が変わって余裕が無かった事、それから DTMではピアノ協奏曲という初の作品に没頭してしまった事が上げられます、が、要するにサボっていたんですけど。

いよいよ4月18日にパイオニア交響楽団の演奏会が行われます。昨年の秋は、合唱団とのジョイントの演奏会だったためオーケストラ単独の演奏会としては1年ぶりです。今回の曲は、演奏会実行委員長がイチオシしていたモーツァルトの交響曲第39番を軸に選曲されました。まず、4月の春真っ盛りの開催である事、世相を考えると明るい曲が良いだろう、シューマンというウチのオケでは演奏した事が無い作曲家にチャレンジしてみよう。という事でシューマンの交響曲第1番「春」。管楽器のローテーションなどを考慮しつつ、明るめの曲という事でチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」という事に落ち着きました。

今回の演奏会が行われるのは杉並公会堂。数年前に建て替えられた東京で最も新しいコンサートホールです。私は昨年11月の高校のOBオケ以来2回目。非常にコンパクトで音響も悪くないので安心して弾く事ができます。

ここ暫くはこの演奏会に向けて、の内容で更新していきます。

Pso19th

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