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2008年3月 9日 (日)

第18回定期演奏会 始末記

昨日、第18回定期演奏会は無事終了致しました。
今回の演奏会は、個人的には五弦ベースによる本格デビューという事で、いつもより苦労が多かったです。弦が1本増えるだけで守備範囲が1.25倍になるだけではなく、譜面の読み方も変わってしまうので慣れるまでかなりの時間が必要でした。(今でも早いパッセージで最低弦を弾くことはできていません)

今までは、ヘ音記号の第一下線のE(ミ)の音が最低音で、それより下の音は1オクターヴ上げて弾いていたので自然にそのように読み替える癖がついてしまっており、それを修正する事がまず大変でした。その後は、押さえる指の弦間違え、弾く弦の弦間違えが多く、結局演奏会でも、ピチカートの弦間違え(押さえる方は正しいけれど指ではじく弦が違っている)が時々出てしまいました。そんなことなので、今回の演奏が自分で満足かというと半々かな、という気分です。

演奏会自体は大きな事故も無く、譜面の一段抜かしや、勝手に譜面がめくれてしまった、英雄の始まる前に椅子に置いておいた松脂が、コロコロと転がり落ちて、客席まで行ってしまった・・・などというナンセンスハプニングはありましたが・・・

次回は合唱とのジョイントの演奏会になりますが、前半オケのみ、後半は合唱つきになり、難曲ぞろいとなってしまいました。これから練習が1回休みになりますが、その間に譜面読んでおかないと、ちょっととんでもない事になりそうです。

ご来場頂いた方、メッセージを頂いた方、皆様ありがとうございました。
また、次回もよろしくお願いいたします。

2008年3月 7日 (金)

第18回定期演奏会 直前情報10

今晩G.P.(ゲネプロ=通し練習)が終わり、いよいよ明日が本番。

エロイカの第4楽章は交響曲として珍しい変奏曲です。
元ネタはバレエ「プロメテウスの創造物」の中の1曲。短い前奏の後、弦楽器のピチカートで演奏される単純な音楽がそれです。こんな単純なメロディを最後には劇的な音楽にしてしまうんですから、やっぱり大作曲家は大したものです。このメロディ、そのほかにピアノのための変奏曲にも転用されています。但し、この英雄交響曲を最後に、このメロディは使っていません。

主題の提示に続いて、チェロ以上の弦楽合奏で4つの変奏が演奏されます。この間はコントラバスは小休止。有名な5つ目の変奏のメロディの裏で主題をピチカートで弾いた後、大きな意味の提示部が終わり、1つ目のフーガ、展開部、2つ目のフーガを経て、この楽章で最も美しい変奏がAndanteで演奏されます。経過句を経てPrestoに入り最後の変奏でフィナーレには怒涛のように向かっていくわけです。

それにしても長い曲です。しかもスケールが大きい。
運命以降の曲に比べると知名度は今ひとつですが、交響曲の大きな転換点の曲であることには間違いありません。

今週の初めに少し腰を痛めてしまい、今では腰の方はだいぶ良くなったのですが、まだ足や首に凝りが残っていて調子は今ひとつなのですが、何とか明日を乗り切りましょう。ピチカートの豆は、また大きくなりました。。。明日まで何とか頑張って潰れないように、指にお願いをして このシリーズは終わりにします。

2008年3月 6日 (木)

第18回定期演奏会 直前情報9

エロイカの第3楽章は恐怖のスケルツォです。
何故恐怖かというと、テンポが速い、音が飛ぶ・・・しかも p の弱音がずっと続く。
pなので弓のコントロールが難しいわけです。普通、弦楽器が音を出そうとするときには弓が弦に触れる-擦る-弦から離す という動作が必要なわけですが、テンポが速いという事はこの動作を一度にやらなければならないわけです。スピッカートという奏法の場合、殆ど弓を弦にぶつけた瞬間にちょっと弾いて弓を上げるのですが、弓を弦にぶつける時の力の加減が難しく大きな音になりがち。このスケルツォではスピッカート奏法では無いのですがそれに近い弾き方をしないと、テンポについていけないわけで、小さい音で引き続けるのが非常に難しいのです。だんだん大きくなるのを抑えようと思うと遅れるのです。

本番は果たしてどれぐらいのテンポになるのかわかりませんが、上の動作に合わせて左の指で弦を押さえるわけです。ベートーヴェン指定のテンポはAllegro vivace。1分間に四分音符が150だとすると0.4秒間で指が移動していかなければならない。それに弦の移動も加わる。などと考えるととても人間業ではないのですが、それをやるのが普通なのです。できれば、すごい事ですよ。これは。。。と威張っても、プロはみんなやってるんだからネ。

スケルツォの中間部トリオは、ベートーヴェンが始めてホルン3本を採用した意味のわかる部分です。ホルンの三重奏が高らかに響きます。この間はテンポはやや落ちます。

これも束の間、また怒涛の勢いでしかし pでスケルツォを弾いて、そのままの速度であっさりと終わり、フィナーレへと続くわけです。

2008年3月 5日 (水)

第18回定期演奏会 直前情報8

エロイカの第2楽章は葬送行進曲です。
冒頭はヴァイオリンのアウフタクトで厳かに始まりますが、これにコントラバスの3連符の修飾音付きの音符が悲しげに奏されます。単純なようですが、この修飾音がオン・ザ・ビート(修飾音の最初の音が、小節の頭に弾かれる)だったり、修飾音を前に出したり、長さが長かったり短かったり、微妙に異なるニュアンスで弾くのですが、修飾音なので正確なビートが無いので合わせるのは結構大変。本番もうまく合わせられるかお楽しみです。

葬送行進曲と行っても終止短調の静かな音楽かというと、そんな事はありません。途中フーガがあったり、長調になるところもあります。長調のところは非常に美しい音楽で、クライマックスもこの部分にあります。

長調の部分が終わると、再び短調の葬送の旋律ですが、ここでは長い時間は続かず急に静けさを破る2小節間にわたる経過音が鳴ると、激しい音楽が展開し、それがやがて静かになり音楽を終えます。最後もコントラバスの連符が地獄の底から響いて終わります。

今回の演奏では、この楽章は非常にテンポがゆったりとするはずです。結構、こういう緩徐楽章でテンポが遅いのは難しいのですが、特にフォルテになると弓が足りなくなります。こういう時に、きちんとロングトーンの訓練が出来ていると充実したフォルテをゆっくり弾く事ができるのですが、基礎を怠ると、弓の速度を下げると音量が落ちるのでついつい弓の速度を上げてしまい足りなくなる。無理にゆっくりと圧力をかけて弾くと、無理に圧力をかけている分音が濁ったり、かすれたりするわけです。
そういう意味でも、こういう楽章をゆっくり弾く事は訓練になるわけです。

2008年3月 4日 (火)

第18回定期演奏会 直前情報7

エロイカの第1楽章はEs-durの主和音2発で始まります。ミ♭(Es)、ソ(G)、シ♭(B)だけの単純な音です。基音のEsは、フルートⅠ、オーボエⅡ、クラリネットⅠ、ファゴットⅠ、Ⅱ、金管全員、ティンパニ、チェロ・バス、GはオーボエⅠ、クラリネットⅡ、BはフルートⅡ、そしてヴァイオリンとヴィオラは和音を弾きます。
実は、これがこの50分にわたる音楽を、いかにきちんと弾けるかを知るのに最高の音だと思います。和音自体の音程云々もそうですが、響き、音の勢いなどをこのわずか2小節で感じとれば、これから演奏される音楽が期待できるのか否かを判断できる程重要であると思います。

第1楽章は非常に長い楽章です。今回は主題部の繰り返しは行いませんが、それでも15分程度はかかるのではないでしょうか。
第1主題は冒頭の単純な和音同様、3小節間この和音を構成する音だけでつくられています。それに続く小節で初めて主和音以外の和音が構成されます。しかし、そんな単純さは全く感じられないわくわくする主題です。そして、この楽章はクレッシェンド、スフォルツァンド、スビト・ピアノ(大きな音から急に小さな音になる)が非常に多いとても変化に富んだ楽章なので、長くても決して飽きることは無いと思います。

これ以上はネタバレになるので書きませんけど、そういう変化を楽しんで頂くのがこの楽章の楽しみ方だと思います。

2008年3月 3日 (月)

第18回定期演奏会 直前情報6

ベートーヴェンの3つ目の交響曲は、モーツァルト・ハイドンの延長線上だった第1番、第2番のシンフォニーとは全く違う、ベートーヴェンのシンフォニーの世界への第一歩の作品といえるでしょう。「英雄」という副題で、ベートーヴェンがナポレオンに捧げるために作ったが皇帝になったため副題を消したというような逸話が残っていますが、これはどうも眉唾ものらしいです。ベートーヴェンは生涯ナポレオンを尊敬していたという説もあります。

このシンフォニーは演奏時間が50分近くに及ぶ長大な作品(指揮者によっては50分を遥かに超える演奏もあります)で、ベートーヴェンの交響曲の中では第九に次ぐ長い作品になっています。

第1番、第2番との大きな違いは

①第1楽章の序奏が極端に短い(わずか2小節)・・もっとも、これ以降は7番の交響曲以外はいきなり主題または動機が現れます
②第2楽章に優雅な歌曲風楽章ではなく葬送行進曲を置いている(7番も歌曲風では無い、8番はカノンを使用)
③第3楽章に完全なスケルツォを採用。また、ホルン3本という編成。
④第4楽章は、ロンド形式ではなく、変奏曲になっている

ベートーヴェンが自分の作品中でも最も気に入っていた作品のひとつであると伝えられているように、斬新で、かつ、しっかりした構成であり、更に音の強弱の変化が非常に多いのも特徴のひとつ。クレッシェンド、ディミヌエンド、スビートピアノ(突然音が小さくなる)、スフォルツァンドも非常に多い変化に富んだ作品です。

今回の演奏会では、さらに音の強弱に変化を持たせ、クレッシェンドからのスビートピアノやフォルテとフォルティッシモの音の違いをはっきりわかるように練習をしてきましたので、この特徴がはっきりわかって頂ければ幸いです。

2008年3月 1日 (土)

第18回定期演奏会 直前情報5

スパルタクスの4曲目最後の曲は再び第1組曲に戻って「カディタネーの踊りとスパルタクスの勝利」です。

冒頭から74小節間、E-休-H-休(ミ・シ・)のピチカートが連続します。
その後、1小節の休みをはさんで E-休-休-H(ミ・・シ)のピチカートが40小節続きます。
続いて、E-H-EH-休(ミシミシ・)と (・ミシ・ミシ・・)というパターンが28小節
EHEH(ミシミシ)6が6小節、この後はDIV(2パートに別れる)になって、私が弾く下のパートはEHEH(ミシミシ)のピチカートが更に30小節、ようやく弓で弾く事ができます。

この間、何とミとシのピチカートだけで178小節。1オクターヴ下げて弾けば開放弦(左手は押さえなくても良い)で弾けるので楽なのですが、右指も左指もそうとうな痛みが来ます。
本番までの練習で皮が剥けない事を祈るばかりです。

曲自体は非常に軽快で良いのですが・・・・最後はスパルタカスの勝利が高らかに謳われて、力強く曲を終わります。コントラバス奏者の指はヘロヘロですが。。。。

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