名曲のお話 シンフォニー編14
なんだかこのテーマ本当に久しぶりです。前に何を書いていたか忘れちゃったので、見かえしたら7月が最後でした。で、シューベルトの続き。シューベルトの交響曲の番号は研究が進むにしたがって番号が入れ替わったりずれたりで、今でもこれといった決め手は無いようです。最近では、未完成が7番、グレートが8番というのが一般的だが、私が学生時代は未完成8番、グレート9番だったし、その前は未完成が7番でグレートは9番だった時代もあった。と、そんな話しは音楽の本質じゃないので置いておくとして。
未完成交響楽、これがシューベルト最後の交響曲では無いし優れた作品であるのに未完成に終わった原因については様々な説がありはっきりとしていない。1,2楽章があまりに長いので次の楽章を完成させる前に他の作曲にとりかかり忘れてしまったなどという説もあれば、あまりに1,2楽章が完璧に出来たので次が書けなかった、1楽章も2楽章も3拍子で、第3楽章もスケルツォなので3拍子になるので3拍子が続きすぎて行き詰ったなどなど。
どっちにしても、名曲である事にかわりないし、2楽章で終わったからこそ有名になったという可能性もある。これが4楽章まであったら、グレートをしのぐ長大な曲になってしまった可能性もあった。
第1楽章はチェロバスによる動機の提示ではじまる。その後高弦のトレモロの上に木管の第1主題が始まる。このチェロバスの動機であるが、実は5弦ベースが必要で、無い場合はチェロと全く同じ音高になってしまいコンバスの存在感が希薄になってしまう。この後、この動機は数回にわたって登場してくるが、腹の底から出てくる歌といっても良いメロディである。
第2楽章は低弦のピチカートに乗って、ヴァイオリンが歌を歌う。天国的に美しいメロディである。
シューベルトの交響曲はベートーヴェンやブラームスなどのものと異なり、縦横の糸が紡がれるような構成美ではなくて得意のリートとその美しい伴奏で構成されている。その典型的な曲がザ・グレードである。ザ・グレートは50分を越える特大のシンフォニーだが、構成が単純なので結構飽きてしまうのではあるが。。。
もう少し展開部が充実していれば、もっと演奏される曲ではないかと思う。
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