名曲のお話 シンフォニー編13
久しぶりの名曲のお話です。
シューベルトの続き、第5番の交響曲はちょっと変わった編成です。フルート1本、オーボエ2本、ファゴット2本、ホルン2本の管楽器と弦楽合奏。こういう編成になった理由は、この曲が特定の目的のために作曲されたからである、とされている。特定の目的というのはいわゆる家庭音楽会。そのためにシューベルトの交響曲の中で最も小さい編成で、トランペットやクラリネットが無いのはその家庭音楽会で演奏する奏者にこれらの楽器の担当がいなかったという事であろう。
曲自体は非常に明るく軽やかな曲である。かなりモーツァルト的な曲で編成がモーツァルトのト短調の交響曲と同じ(モーツァルトの40番は後にクラリネットが加えられた)点も指摘されているが、雰囲気は似たところがある。非常に短い前奏、3楽章にスケルツォではなくメヌエットを使ったetc
但し曲想が40番とは全く異なるので、40番を模したという事はあたらないような気がする。
第1楽章は前述の短い前奏から、エコーのような応答による第1主題、かわいらしい感じの第2主題からなる。
第2楽章は非常に穏やかな主部と、若干の重たさを持った中間部をもつ緩徐楽章。
第3楽章はメヌエットではあるが、スケルツォっぽいイメージをもつ。2楽章同様中間部は若干の重みを持つ。
第4楽章は小編成を感じさせないスケールをもつ曲。この楽章だけはモーツァルトよりベートーヴェンの初期交響曲っぽさを感じさせる。
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