第17回定期演奏会 6
ようやくハイドンも最終楽章です。ハイドンには珍しいソナタ形式の終楽章です。
104曲の交響曲を書いたハイドンの最後の楽章、実にハイドンらしい曲です。といっても、本来のハイドンの、という意味では無く、非常にスケールが大きく躍動感に満ち満ちた ハイドンのイメージにぴったりという意味です。モーツァルトにしてもベートーヴェンにしても最後の交響曲というのは非常にスケールの大きな曲ですが、この曲は全体的に明るくスケールが大きいけれど、どっしりした曲というものとは正反対の曲です。最後の交響曲と言っても彼はこの曲を書いてから14年も生きるのですから老いの晩年のにおいは全くありません。
10小節以上続くオルゲルプンクト(低音の持続音)にのって現れる主題はメロディックではありませんが、躍動的、滑らかな印象の第2主題との対象はこの楽章のスケールをより大きなものに感じさせます。非常にコンパクトな編成の中で最大限のダイナミックスさを演出し、最後まで勢いを失わずに曲を締めくくります。
この楽章は 躍動的な主題と、押さえ気味の2つの主題をうまく演出しながら勢いを失わないで最後までたどりつく事。それができれば、弾いた!という満足感が得られる。そんな曲です。
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