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2007年6月14日 (木)

第17回定期演奏会 11

3曲目はチュイルリー。これはパリのチュイルリー公園での娘と子供たちのスケッチである。コントラバスは全休なのでお客様と一緒に聞かせていただこう。
この曲は三部形式で、主要部は木管の軽快なリズム、中間部は弦楽器の伸びやかな合奏になっている。軽やかさを売りにする楽曲なのだが、演奏者は真剣そのもの。その対比をご覧くださいな。

4曲目のビドロ。言語ではビコウォという発音が近い。ポーランド語で家畜の牛の意味であるが、虐げられた群れという別の意味もある。ハルトマンはポーランドレジスタンスの処刑の絵を描いており、ムソルグスキーの音楽も遠くから牛車が近づき再び遠ざかるという表向きの音楽に、抑圧された民衆が隠れていると言われている。チェロバスとファゴットの牛車の歩みの上にチューバが重たい引きずるようなメロディを奏でる。但し、このチューバのソロは非常に音域が高いため、通常はユーフォニウムで吹くようである。
コントラバスは弱音器をつけて二部に分かれて、八分音符を刻む。引きずるような歩みであるが決してテンポを乱してはいけない。やがて、牛車が近づくと弱音器をはずしてクレッシェンドをしていく。この弱音器はずしがミソである。楽譜には poco a poco senza sordと書かれている。 少しずつ弱音器をはずしなさい という事であるが、これはゆっくりはずせという意味では無い。各奏者がバラバラに外していくという意味である。ここで、我々はあるルールを作ってそのルールの元に順番に外すことにしている。これで音が薄くなる事をできるだけ避けるように工夫した。その後は、逆もある。バラバラに嵌めていくのである。そして牛車は遠ざかっていく。最後にはコントラバスの半分によるピチカートが1小節残る。

続くプロムナードは短調になり木管楽器-木管、弦に受け継がれチェロバスとハープのハーモニクスの音で終わる。

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